TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』毎週月曜日~金曜日 朝6時30分から放送中!
11月16日(水)放送後記
7時30分過ぎからは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」
ここ数カ月に渡って、東京、新潟、広島など全国的に相次いでいる「賽銭泥棒」についての報道。そんな中、昔から「賽銭泥棒」に頭を悩ますお寺や神社から相談を受けてある画期的な「システム」開発した企業がありました。
★AIが泥棒を検知?
17年ほど前から防犯カメラをメインに取り扱っている株式会社トリニティーの兼松拓也さんのお話しです。
株式会社トリニティー:兼松拓也さん
「弊社で作ったトリニティAIというサービスを、防犯カメラシステムと組み合わせまして賽銭泥棒をしようとする人が現れたらそのAIで検知してそしてその検知した画像をLINEに飛ばしてすぐに通報するという仕組みになります。普通に賽銭箱にお金を入れる参拝者の方は検知しないような仕組みになってます。賽銭箱の横だったりとか後ろに引き出しがあるんですね。そこの位置に近づくと、AI人検知が泥棒だということを認識して、その部分の画像をくりぬいて大体10秒ぐらいで、お寺であれば住職さんで神社の場合はそこの氏子の皆さんで作ったLINEグループに飛ばしてくれるという仕組みです。賽銭泥棒って基本的には現行犯でないとなかなか捕まえられない犯罪ですので、そうするためには即時通報ですぐに警察を呼べるっていう仕組みが必要だと思ってます。」
お寺や神社は昔から防犯カメラを設置するなど対策はとってきましたが、それだけはなかなか犯人を捕まえる事が出来なかった。そんな中、こちらの企業では3年程前から防犯カメラとAIを使ったシステムの開発を進めて、今年の6月頃本格的にリリース。防犯カメラに映った、賽銭箱付近で不審な動きをしている人物を、人検知システムが検知すると、お寺の住職さんやご家族、また神社の氏子さんたちが作ったライングループにその映像からくり抜かれた静止画の画像がなんと10秒ほどで届くシステム。この即時通報により、賽銭泥棒を現行犯で捕まえる事が出来る可能性がかなり高くなる。
実際にこのシステムを導入されている静岡にあるお寺の方にお話しを伺ったのですが、導入する前まで不審者がうろつくなど不安な時期もあったそうで、こちらのシステムを導入してから、ド不審者なのか参拝者なのか区別がつくのと、自分の目で画像を確認出来るので安心感に繋がっているとのことでした。価格ですが、こちらのAIシステムのみだと月額6600円、防犯カメラと合わせると月額1万円から導入が可能と言うことです。
★からくり賽銭箱!
ここまではAIと言う最先端の技術で賽銭泥棒を防ぐシステムのお話しでしたが、アナログながら画期的な「からくり賽銭箱」という名の賽銭箱もありました。有限会社 伴田鉄工所 伴田茂さんのお話しです。
有限会社 伴田鉄工所:伴田茂さん
「今から20年以上前かな、近くの町内にあるところで賽銭箱が盗まれるので何とかしてほしいと言われて相談があってステンレス鍵なしで作りましょうか、ということで作り始めまして、鍵がないんです。
最初に作ったのは2、30年前だと言うこちらの「からくり賽銭箱」。もともとステンレスの螺旋階段や手すりなどを取り扱っている会社ですが、町内に置いてある賽銭箱が盗まれたと相談された事がきっかけで、「鍵があるから鍵を壊されて盗まれる。なら鍵をなくしてしまおう!」と言う発想から、「鍵なし!ステンレスの賽銭箱」を作った。つまり・・・
鍵がないために取出し口が何処だか分からないので開け様がない。
ステンレスの3mmを使用しているので「刃」が立たない。
カラクリの内容が1台1台別々にかけられている・・・
といった画期的な賽銭箱なんです!もちろんカラクリは企業秘密。導入先のお寺や神社の方しか知りません。
昔は宣伝する術がなかったが、10年位前からHPに載せるようになってからは注文が相次ぎ来年の6月まで予約がいっぱいなんだそうです。ただ、1台1台作るのに半年はかかる、また製作する費用も高いと言うことで採算がとれない。
お値段は通常サイズだと20万円くらいのものから大きいものだと100万円するものもあるそうです・・・!
★嬉しい悲鳴も
少し高いかなと思ったので伺うと予想外のコメントがありました。再び伴田さんのお話し。
有限会社 伴田鉄工所:伴田茂さん
「良かったと思うのはまさかこの賽銭箱にこんなにお金が入ってると思わなかったっていういうことです。つまり頻繁に泥棒が持てたところなんですよ。それと例えばちょっとお金の話ではあるんですけども、20万ぐらいすぐぺイできるんです。それで一つ困るのは盗まれないもんですから、回収しに行かないんですよ。そうすると例えば山の中なんかに置いてあるところで人行くの面倒くさいからってゆうんで、なんつうかな、しばらく行かないと満タンになっちゃうんですよお金が。そうすると普通の車でも100キロは超えちゃうんです。賽銭箱の中に中箱が入ってるわけですよ。その中箱の中にお金が入るわけですね。そのお金がもう賽銭の投入口までお金がいっぱいになっちゃって、もう重すぎて抜けないんですよ箱が。」
今までおよそ100カ所に設置してきた「からくり賽銭箱」ですが、今まで泥棒被害にあった件数は「0件」。絶対に盗まれないからこそ、山の中に放置しすぎた賽銭箱を開けるため溶接機をかついで行かなくてはいけない・・・と言う嬉しい?悲鳴も。