電気代が高騰する昨今、なるべく節電したいというのは誰もが思うところ。炊飯器の「保温機能」を利用している家庭も多いと思いますが、実は保温機能はかなり電気代がかかるのをご存じでしょうか? 本記事では炊飯器の保温機能について解説していきます。


■A.炊飯器の保温機能は電気代がかさむうえに、ご飯の味も落ちてしまうので、なるべく賢く使うようにしましょう
炊飯器(5.5合炊き・IH式)の保温にかかる消費電力は、1時間あたり約15~20Whが一般的です。電気代単価を31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会による目安)として計算すると、1時間保温すると約0.5円~0.6円の電気代がかかることになります。「1時間で0.5円なら安い」と感じるかもしれませんが、注意すべきは蓄積される時間です。

・5時間保温:約2.5円~3円
・10時間保温:約5円~6円
・24時間保温:約12円~15円

保温を1カ月(30日)毎日続けた場合、24時間保温なら月額約360~450円、年間では約5000円前後の電気代が、ただ「温めておくだけ」のために費やされることになります。ちなみに炊飯1回にかかる電気代は約4円~5円なので、10時間保温すると炊飯時の電気代を超えてしまいます。

■保温or電子レンジで温め直す、どちらがお得?
電子レンジで1膳分(約150g)のご飯を温め直す場合、600Wで1分30秒加熱した際の消費電力は15Wh程度です。電気代に換算すると1回あたり約0.4円~0.5円となります。「レンジで1回温める電気代」と「炊飯器で1時間保温する電気代」はほぼ同じという結果になりました。

つまり、炊きあがってから1時間以上経過したご飯を食べるのであれば、保温を続けるよりも、一度電源を切ってから食べる直前にレンジで温め直した方が、理論上は安上がりになります。

■何時間以上食べないなら保温を切るべき?
電気代の節約と、ご飯のおいしさ(品質)の両面から判断すると「3時間~5時間」が保温を止めるべき境界線ではないでしょうか。

3時間未満程度と食べるまでの時間が短いなら、保温のままの方が手間も少なく、電気代の差もわずかです。しかし5時間以上食べない場合は保温を切っておきましょう。
5時間を超えると電気代がレンジ加熱の電気代を上回るだけでなく、お米の水分が抜けて黄色く変色したり、酸化して「保温臭」と呼ばれる独特の臭いが発生し始めます。

■すぐに食べる分以外は「小分けして冷凍」がおすすめ
電気代を最小限に抑えつつ、おいしさを維持するためのベストな方法は炊飯後「即冷凍」です。

食べない分は、炊きたての熱いうちに1食分ずつラップに包むか、冷凍用保存容器に入れます。熱いうちに包むことで、お米に含まれる水分を逃さず閉じ込めることができ、解凍した際もふっくらとした状態に戻ります。また、冷蔵庫(5℃前後)はお米のデンプンが老化しやすい温度帯のため、パサつきの原因になってしまいます。長期保存はもちろん、翌日に食べる場合でも冷凍保存するようにしてください。

炊飯器の保温機能を「なんとなく」使い続けるのをやめ、レンジ加熱を賢く併用するだけで、年間数千円の節約とご飯のおいしさを保つことの両立が可能になります。

文:安蔵 靖志(Techジャーナリスト・家電エバンジェリスト)
家電エバンジェリストであり、家電製品総合アドバイザー。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。ラジオ番組の家電コーナーの構成なども手がける。All About デジタル・家電ガイド。
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