TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』毎週月曜日~金曜日 朝6時30分から放送中!

8月1日(月)放送後記

7時30分過ぎからは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」

新型コロナの感染拡大を受けて、今年の夏、お出かけは車で、と考える方も多いと聞きます。しかし、この猛暑ですので、気をつけてほしいことが多くあります。

今日はそれを調べてきました。まず、この猛烈な暑さの中、炎天下に駐車している車がどのくらい暑くなるのか、しっかり数値で知っておきましょう。

一時間で、車内温度は50℃に!

炎天下の駐車場で実験をした、JAF愛知支部広報の杉山里帆さんのお話です。

JAF愛知支部・広報 杉山里帆さん

●「外気温35度、晴天の状況下において、1時間で車内温度は50度を超えまして、暑くなりやすいダッシュボード付近は、約80℃近くまで温度が上昇しました。あっという間に温度が上がってしまいますので、過去の実験の結果では、エアコン停止からわずか15分で、熱中症指数が危険レベルに達してしまった、というデータがございます。短時間であっても、車内にお子様ですとか、ペットを残していかないようにご注意いただきたいのと、あとはですね、新型コロナ対策でアルコール消毒液を車内に置いている方も多いと思います。アルコール消毒液は、主成分がエタノールですので、気化して車内に充満すると、静電気ですとか、たばこの火など、小さなきっかけで引火して爆発してしまう、という恐ろしい事故にもつながりますので、注意が必要となります。エタノールが気化するほど、温度が高くなってしまうことがありますので、特にこの夏注意していただきたいポイントになります。」

たった一時間で50度になるとは、さすがに驚きました!エアコンを切って、窓を閉め切った車の中の温度は、外の気温の上昇よりも、早いスピードで上がっていくそうです。ですから、気温が少し涼しくても、日が当たるところに停めれば、車内温度はすぐ上がってしまいます。とにかく、エアコンを切った車内には、人もペットも決して残していかないこと。

また、今みなさん携帯していることの多い、アルコール消毒液も大きな事故につながる可能性があり危険です。車内には置きっぱなしにしないように、気を付けてください!

5分で、車内温度が55℃から28℃に!

では、その、ものすごく暑くなった車内を、どうやって冷やせばいいのか。最も効率の良いやり方を、杉山さんに教えて頂きました。

JAF愛知支部・広報 杉山さん

●「まず初めに、乗り込んだ時にドアを何度か開け閉めして、反対側の窓から熱気を逃がすっていうことをやって頂くと、より早く冷やすことができるんですけれども、そちらをして頂いたうえで、窓を全開にして、エアコンを外気導入モードで、風量を最大にして走り出してください。

こうして車内を一気に換気をしていきます。そして、数分走行していただくと、熱気が少し無くなってきます。熱気が無くなりましたら、窓を閉めて、エアコンを内気循環に切り替えますと、冷房効率もよく、燃費も抑えていただくことができます。JAFの実験では、この方法で、55度だった車内温度を、約5分間で28度まで下げることができました。空気の循環がとても効率的にできる方法になりますので、こちらの方法をおススメしております。」

これはぜひ覚えておきたいですね。たった5分で、55度が28度ですからね。

①ドアを何度か開け閉めして、窓から熱気を逃がす。②すべての窓を全開にして、外気導入モードで、エアコンの風量最大にして、走り出す。③熱気が収まったら、内気循環に変える。

また、走る以前に触る可能性のある、ハンドル、ダッシュボード、シートベルトや、チャイルドシートの金具は火傷するほど暑くなっていますので、危険です。これらは、濡れたタオルなどで拭いて、気化熱を利用して冷やすのがおススメ、ということでした。冷却スプレーなどで冷やす方法もあるのですが、冷却スプレーは、可燃性のガスを含んでいるものも多く、車内に置いておくと、高温で破裂する危険性もあります。

お使いになる場合は、商品の注意書きで、保管状況の推奨温度などを、しっかりと確認してください。車内に置いておいて大丈夫なのかどうか。

暑いけど、外気循環や窓開けで換気を!

そして、もう一つ、クーラーの使い方で、注意して欲しいことがある、と杉山さんはいいます。

JAF愛知支部・広報 杉山さん

●「内気循環のまま使い続けてしまいますと、車内の二酸化炭素濃度が高まってしまいまして、疲労が増したり、集中力が落ちたりするという結果も出ています。ですので、長い時間ドライブする場合もそうですけれども、車内に長時間留まる場合は、定期的に空気を入れ替えるために、外気導入に切り替えをしていただいたり、窓を開けるなど、工夫をしながら、きちんと換気できるような環境で走行、滞在をしていただければ、と思います。車の中で快適に過ごしていただくというのも、もちろんですけれども、効率よく換気などして頂きながら、車内で過ごす際は、そういった点を気をつけて頂きたいと思います。」

内気循環でエアコンを使うと、よく冷えます。しかし、内気循環で使い続けると、今度は、二酸化炭素の濃度が高まってしまう危険もあるんです。ですから、暑いですけど、外気循環や窓開けで、ときどき換気を心掛けてください!

先週のこの番組でも、リスナーの方が『コロナ陽性で、家族と隔離のために、車中泊3日目』というメールをくださいました。病院や療養施設、ホテルがいっぱいで、仕方なく車で療養している人も多い、という話は、ニュースでも聞きます。お出かけなどではなくても、長い時間、車の中にいる人もいるのが、今年の夏。

車の中は、温度が上がりやすい環境です。療養中に熱中症にならないように、上手にエアコンを使いつつ、外気導入や窓を開けての換気を行って、本当に気を付けて過ごしてください。

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