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8月14日(日)放送後記

武田修宏さん(Part 2)

1967年静岡県生まれ。県立清水東高校から1986年に読売クラブ(現東京ヴェルディ)に入団。

中心選手として黄金期を支え、名実ともに日本を代表するフォワードに。引退後はサッカーの解説など、さまざまなメディアで多岐にわたって活躍しています。

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出水:武田さんは30年所属したホリプロを退社して、今年4月から個人で活動しています。ご自身のブログによると、1992年に青山でスカウトされからずっとホリプロ所属だったそうですね? スカウト??

武田:そうですね、1993年にJリーグができることになってサッカー人気がすごかった時にホリプロの方にスカウトされて。ホリプロのスポーツ文化部の1期生だったんです。それまではスポーツ部門はなかったんですよ。

今はいろんな選手が活動してますけど、当時はスポーツ選手のマネージメントはあんまりで、僕も「なんでスポーツ選手ガバラエティ出てるんだ」とか「写真集出してるんじゃない」とか罵倒されました。1992~93年はそういう時代でしたね。

JK:でもサッカー選手としてやりながら、そういうタレント活動をよく両立できたわね。

武田:僕も勝った時はインタビュー受けたし、TVに出ることでサッカーの人気も上がっていくし、責任も生まれるから、試合で勝てなかったら自分が罵倒される。ラモスさんにも言われました。「試合に負けてるのにTV出てんじゃない」って(^^;)やっぱり軸はサッカーなんでね。

JK:でも基本がサッカーだから、サッカーは一生ついて回るでしょう? たとえば教えるとか。今はある意味いろんなことを経験してきて、余裕があるわけですよね。

武田:そうですね。今年3月31日で30年お世話になったホリプロを辞めたのも、コロナになって3年間いろんなことを考えて、やっぱりサッカーやりてぇな、って。それでしっかり和田アキコさんにもご挨拶して(笑)「サッカーを軸にやりたい」とお伝えして、今は1人でやってます。

JK:これからはサッカーとどう関わっていくの?

武田:そうですね、監督をやりたいので、オフの時間は自費で全部鈴鹿に行ってます。

今三浦知良さんが鈴鹿ポイントゲッターズにいて、監督がお兄さんの三浦康年さんなんですよね。それで僕も鈴鹿でアシスタントコーチとして選手と監督について指導を学んでいます。解説も今までやらせていただきましたが、次の世代も出てきているんで、今度は現場でいろんなことを感じながらやってます。

JK:でも監督になるには資格を取らないといけないでしょ?

武田:資格を取るには4年間かかるんですが、僕は引退してから4年間で監督の免許取ってるんです。いろんな巡りあわせで、今は鈴鹿で指導者の勉強中です。やっぱり残りの人生サッカーやりたいんで。

出水:久々の現場はやっぱりいいものですか?

武田:いいですね! やっぱり楽しいですね。チームみんなで勝利を掴もうと頑張ったり、チームをまとめたり。コロナでなかなか選手がそろわない中、どうやってチーム編成するかとか、試合に出てないベテランをどう盛り上げてチームをサポートするかとか。現場に行かないとわからない。

JK:ヴェルディっていう個性的なチームにいたからね。いい個性じゃない? チームっていいながら、個性的な人が集まってこそのチームだから、そういうことも教えてあげたらいいじゃない?

武田:そうですね。

ほとんど24時間サッカー、サッカーなので、結婚と女性の時間がなくなってしまいました(笑) まったくそっちのほうが疎かになってしまって、本当に「サッカーが恋人」なんですよ! 気が付いたら誰もいなくなってました(^^)

出水:今ブースの外から指示がありまして、武田さんの好みのタイプを教えてほしいそうです(^^)

武田:アクティブで、自由。生きたいように生きる! 僕もブラジルやパラグアイに住んでたこともあるので、自由に楽しみながら生きて健康的な人がいいです(^^)

冗談ではなく、今はサッカーが恋人です~武田修宏さん

出水:小さい子に対してサッカーを教える機会も多いかと思うんですが、若手選手や子どもたちに必ず伝えることはありますか?

武田:子どもたちのサッカー教室をやるときに、「自分の長所を伸ばした方がいい」とは必ずいいます。武器というか。あとは教える時の環境づくり。コーチがやったり言ったりするんじゃなく、シュート練習だったら僕は缶を置くだけ。ちょっとしたオーガナイズをちゃんとしてあげることで、子どもが楽しくやれるよう考える。

教えるんじゃなくて、遊びながらできるように。

JK:そうなのよね、サッカーってお勉強じゃなくて、楽しむものだったんでしょ?

武田:南米だと「フガドール」=遊びの延長がサッカー。「あれやれ、これやれ」じゃなくて、子どもたちが楽しむのが一番。指導者が楽しむんじゃなくて、子どもたちが楽しめる環境の中で個性を磨く。今は指導者がいろいろ言い過ぎてて、子どもたちもゲームで育ってるから、ボールを持ってる動きは上手いけど、ボールを持ってない時の動きができない。言われたことはやるけど、局面でなかなか自分で考えられない。ゲームで育ってるから、コミュニケーション能力もない・・・そういう時代の流れも考えながら教えなくちゃいけない。

JK:幅広くバラエティもやってるからその辺は得意でしょ。昔の武田じゃなくて、いろんな経験をした武田なら、子どもたちも楽しいんじゃない? サッカーだけじゃなくて、サッカーを通じていろいろ話せるから。

武田:子どもとサッカーするのは楽しいですね。最近ではパワーポイント使って講演もやってます。

JK:稼いでるじゃないですか!

武田:いや、稼いではいないです(^^;)楽しみながら、ひとつひとつしっかり準備して、しっかり結果を出して帰る、というのはサッカーでも仕事でも同じです。

JK:そうですね、この1点が全て結果ですものね。

武田:そのためには準備も必要だし、努力も必要。表じゃなくて、根っこや影が大事だと僕は思ってます。三浦知良選手と一緒に練習しても、いろんな批判がある中で、ピッチに出ていない時でも毎日努力している姿を見て、彼の人間性だったりパワーのおかげで僕も頑張っています。

JK:一番尊敬する人は? 1人2人じゃないでしょうけど。

武田:やっぱり三浦知良さんは尊敬します。あとはホリプロの創業者の堀威夫さん。僕尊敬してるんですよ、あの人の人柄だったり生き方だったり。2002年に僕が引退する時、「W杯も終わったから辞めなさい」って言ってくれたのが堀さんで、あれから10年経ったときに「あの時辞めといてよかった」と思いました。そういう意味で感謝もしていますし、自分が将来歳をとったときにそういう人になりたいなと思います。

冗談ではなく、今はサッカーが恋人です~武田修宏さん

出水:サッカーといえば、今年はビッグイベントが控えています! 11月にカタールでFIFAワールドカップが開催されますが、今回の代表チームは武田さんの目からみていかがでしょう?

武田:海外経験のある選手ばっかりなので期待してます。ドイツとスペインという強い2チームと当たるわけで、そういう意味では「森保ガンバレ!」って感じですね。

JK:かたっぱしから勝つでしょ!

武田:どうなんだろ~? 「武田さん、勝ちますか負けますか?!」って良く聞かれるんだけど、普通考えたら「勝つ」って言えないですよね。でも勝負はわからないから、あの質問は答えにくいですよね。「負ける」とは絶対言えないし(^^;) それってサッカー解説者としてどうなんだろうと思います・・・サッカーが盛り上がるのはいいけど(^^;)

出水:武田選手から見て、この選手は光ってるな、という選手は?

武田:今の代表で? 僕も現場でインタビューとかすると、吉田君とか試合に出てないのに最後まで答えてくれたり、長友君も・・・選手によってはインタビューが嫌いですぐ帰っちゃったりするけど、ああいう選手は応援したくなりますよね。

JK:最後にご自分の決意というか、これから本気でやってみたいことは?

武田:家族を作ることですね!

JK:遠い先かなぁ?(笑) 望めよ、さらば与えられん(^^)

OA曲
M. チャコの海岸物語 / サザンオールスターズ