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5月16日(火)放送後記

先月、東京・港区に「こどもになってお茶してみない?」というキャッチコピーのユニークなカフェが登場しました。その名も「こどもの視点カフェ」。

「こどもの視点カフェ」とは!?

まずは、どのような狙いのカフェなのか、主催している伊藤忠商事Corporate Brand Initiativeの菰田有花さんに伺いました。

伊藤忠商事 Corporate Brand Initiative 菰田有花さん
こどもの視点に立って世界を見ることで、こどもにとって安心安全な暮らしと社会のあり方というところを考えるきっかけを提供したいという思いで運営しているカフェになります。想像はできても、なかなか実体験を伴ってということは難しいところもあると思うので、今回本当に、こどもだったらどのくらいの大きさなのか、重さなのか、みたいなところを大人サイズに再現することで、より分かりやすく考えていただくきっかけを提供したいと思っております。どういうふうにこどもにとって世界が見えているのかというところを体験していただくことで、こどもに対しての向き合い方が変わってくると思うので、そのきっかけの一助となればと考えております。 

大人がこどもの視点に立つことで、こどもの気持ちを味わってもらおう、考えてもらおうというカフェ。子育て中かどうかは問わず、もちろん誰でも利用できます。

頭の重さが20キロ?ランドセルは19キロ? こどもの視点を大人が体験

「大人サイズに再現」ということでしたが、具体的にどのような内容なのか、再び伊藤忠商事Corporate Brand Initiativeの菰田有花さんです。

伊藤忠商事Corporate Brand Initiative 菰田有花さん
赤ちゃんの頭がどのくらいの重さで、どのくらい大きいのか、大人のサイズに再現したというものになっております。成人男性、約180センチ70キロの方だと頭の重さだけで、20キロ。自分の肩の上にそれだけの重さが乗っていると思うと、歩くのも大変だし起き上がるのも一苦労だよねっていうことを体験できるところになっております。あとは同じく大人サイズの食卓を「2歳の朝食」というコンテンツで再現しているんですけれども、実際に大きなサイズの食べ物・飲み物を召し上がっていただける「こどもの視点セット」というものをご用意しています。「珍しいカフェがあるな」というきっかけでもいいので、こどもとのコミュ二ケーションの取り方だったり社会のあり方について考えるきっかけになったらいいなと思っております。 

大人がこどもになれる?ユニークな「こどもの視点カフェ」の画像はこちら >>

赤ちゃんは四頭身と言われていて、かなり頭が重いんですね。大人で換算すると頭が「20キロ!」ということで、大人サイズで再現した模型を展示しているんですが、すらっとした身体の上に「どん!」と大きな頭がのっている感じで、インパクトがありました。

大人がこどもになれる?ユニークな「こどもの視点カフェ」

そしてカフェということで、こどもから見た食べ物・飲み物がいかに大きいか、実際に注文できます。私も「こどもの視点セット」を頼んでみると、特大のケーキと500mℓの飲み物が紙カップで出てきました。大きくて食べきれない場合は持ち帰りも可能です。

大人がこどもになれる?ユニークな「こどもの視点カフェ」

このほかランドセルの重さが、大人にとってどれくらいなのか実際に背負うことができます。ランドセル、サブバッグ、水筒などを合わせると大人の体感でおよそ19キロ!私も全て持ってみたんですが、重心が後ろにいって少しふらふらしてしまいました。これを成長期の小さなこどもが持って毎日通学するのは大変だなと改めて感じました。

カフェに来た方は・・・「こどものことをもっと知っていこう」

店内は30人ほどが靴を脱いでゆっくり過ごすことができる広さで、1日およそ150人が訪れるそうです。カフェに来ていた方たちにお話を伺いました。

●「実際体験型で楽しめるというところが面白そうだなと思いました。いとこにこどもがいるんですけど、こどもってどうしてあんなに泣いちゃうんだろうとか、あまり考える機会がなかったので、いい機会だなと思いました。」

●「ランドセル背負ってみて、約20年ぐらい前に背負ってたんですけど、そこまで重く感じてたかなと。すごく重く感じました。」

●「いま4歳と1歳です。ついつい大人目線で考えちゃってたんで、こども目線だと届きにくいんだなとか、このジュースも実はすごい大きいんだなっていうところを踏まえながら、こどもがジュースをこぼしても寛容に対応したいなと思いました。

こども目線を大人が体験するというカフェはないので大人も勉強になるなと思います。こどものこと、もっと知っていこうと思いました。」

先日は教師をしているご夫婦がいらっしゃって、日々生徒と向き合う中で、改めての気づきがたくさんあって、いいきっかけになったと話していたそうです。こどもの視点カフェは外苑前駅から歩いて2分、港区北青山の「ITOCHU SDGs STUDIO」で開かれていて月曜日がお休みです。こどもの気持ちを大人が味わうというユニークなカフェ。社会全体でこどもの成長を見守る上で、こどもの視点を体験してみるのはいかがでしょうか。

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