ゲストは医療ジャーナリストで医師の森田豊さん。今回は、日常生活で体や心に起きる現象について教えていただきます。

人の顔や特徴は覚えているのに、名前が思い出せないときってあり...の画像はこちら >>

テレビを見ているときなどに、その人の顔や仕事、イメージは全部思い出せるのに、名前が出てこないことってありませんか?
この現象には名前がついていて「ベイカーベイカーパラドクス」といいます。
相手がパン屋(ベイカー)だということは思い出せるのに、ベイカーという「名前」が思い出せないという冗談から生まれました。顔やイメージなどの視覚的映像の情報は記憶に残りやすいのに対して、名前や名称などの言語情報は記憶に残りにくいという現象です。ちなみに「何をしている人か」ということまでわからなくなってしまった場合は、認知症の可能性もあるので、注意してください。

この「ベイカーベイカーパラドクス」のように、日常生活で体や心に起きる‘現象’について、森田先生の体験談も交えながらお話しを伺いました。

紹介するものは、人間の脳の働きによって起きることで、おそらく誰にでも身に覚えのある「あるあるネタ」だと思います。あてはまったからといって、病気でもなければ「気にしすぎ」なわけでもありません。むしろ、「脳が正常に働いている」と言えるでしょう。
私はスーさんや小倉さん、この番組のリスナーの皆さんには、脳の働きを活発にして、いろいろなことを考えながら元気に、健康に暮らしてほしいと考えております。今回紹介するものを参考にしていただき、「自分の日常生活中にどんなことが起きているか」を少しでも知っていただき、ちょっとした雑学にしていただければと思います!

年齢を重ねると時の流れが早くなる「ジャネの法則」

「今年に入ってもう3ヶ月終わっちゃった」「もう一年終わってしまう」などと思うことって、年々増えていきませんか?
これは「ジャネの法則」と呼ばれていて、フランスの哲学者ポール・ジャネが提唱したものです。年齢を重ねると子供の頃よりも刺激を感じにくくなるため単調な日々に感じることが多く、時の流れを早く感じやすくなる という説が有力です。例えば同じ一年でも、50歳の人は5歳の人よりも、時の流れを10倍早く感じてしまうと考えられています。
年齢を重ねてもワクワクするような刺激がある生活をすれば、時の流れがゆっくりと感じ、人生を深く味わうことができるかと思います。

試験やテストの前に関係ないことをやりたくなっちゃう!「セルフハンディキャッピング」

これは、失敗したとき・うまくいかなかったときに、自分の心が傷つかないように、現在取り組んでいることには一生懸命にならないように、と考えてしまう心理状態。ある意味、自分の心を守るための自己防衛的な反応で、むしろ正常ともいえるでしょう。
こういった現象は生理的に生じることを理解した上で、できるだけ目の前の困難を乗り越えるということに集中してほしいです。
ちなみに森田先生は目の前のことに熱中してしまう癖があるそうで、これは当てはまらないそうです。

月の模様にウサギが見える!? 「パレイドリア現象」

雲の形などから動物や顔など、何かしらの物体を思い浮かべたり、月の模様にウサギの姿が見えたりする現象です。
パレイドリア現象は視覚的なものに限るわけではなく、録音した音楽を逆再生したり、再生速度を変えたりすると隠されたメッセージが聞こえてくる‘気がする’という聴覚的なものもあります。

また、パレイドリア現象の一種で「シミュラクラ現象」というものもあって、これは「3つの点が集まった図形が人の顔に見える」という現象です。実は、大抵の心霊現象や心霊写真は、このシミュクララ現象として説明できることが多いそうです。

限定品や売り切れたものが欲しくなっちゃう!「リアクタンス現象」

これは1966年にアメリカの心理学者のジャック・ブレームが提唱した心理学論です。人間は自分が自由に選択できると思っていることに対して、制限や強制をされてしまうと抵抗や反発感情が生まれるようで、そのことから限定品や売り切れになったものが欲しくなってしまうという行動に繋がるんですね。

ラッキーカラーが妙に視界に入る!「カラーバス効果」

例えば朝に見た占いなどで「今日のラッキーカラーは赤!」と言われると、赤い車や赤い看板が妙に目に入ることってありませんか?これはカラーバス効果というものです。自分が気になっていることに関する情報って、なぜか向こうから自分の視界に飛び込んできますよね。また、この効果は実は色だけに限りません。
例えば「好きな芸能人の名前」だったり「買おうかどうか迷っているもの」などの文字情報にも適応されるみたいです。意識してしまうとやたらと視界に入ってくること、ありますよね・・・?

人の顔や特徴は覚えているのに、名前が思い出せないときってありませんか?
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