レコードショップの店主や往年のレコードファンからの反応もさまざまで、不愉快に感じる人も居れば、レコードを好きになるきっかけになればと、寛大に受け止めている人も居る様子・・・。
そこで今回はレコードのコレクター歴25年にして、保有するレコードの枚数は1000枚近く、レコードの転売をビジネスとして行う別本啓一さんに、SNS映えする、ジャケットがオシャレなレコードを15作品、教えてもらいました。
「何であれ、少しでもレコードファンが増えれば」と快く取材に応じてくれた別本氏。「できればオシャレなジャケットを入り口に、どんな音楽が聞こえてくるのか、聞く機会を持ってもらえれば」と語ります。
プレーヤー単体で音が出る再生装置はAmazonだと6,000円程度で購入できるそうですから、せっかくなら写真を撮るだけでなく、聞く機会を設けてみるといいかもしれませんね。
SNS映えするレコードその1

(ELIS REGINA/ERIS, COMO E PORQE 1969年 Brazi Philips)
通称「麦わら帽子のエリス」と呼ばれるレコードで、別本氏がブラジル盤を集めるきっかけになった思い出深い一枚なのだとか。再発盤も多く、オリジナル盤にこだわらなければ比較的入手は容易との話です。
SNS映えするレコードその2

(DUSTY SPRINGFIELD/WHERE AM I GO 1967年 UK Philips)
このジャッケットほどスウィンギン・ロンドン、60年代のイギリスらしさを感じさせてくれるレコードはないそう。2015年に日本でも再発盤が出ていて、Amazonのマーケットプレイスにも新品が2150円で出品されているみたいですよ。(2017/11/10現在)
SNS映えするレコードその3

(ALIS BABS/Music with a Jazz Flavour 1973年 Swedish Society Discofil)
スウェーデンのジャズシンガー、アリス・バブスの73年の作品だと言います。B面2曲目の「スウィングしなけりゃ意味ないね」が最高みたいですよ。10年前は1万5千円位だったそうですが、最近はその半分くらいの相場になっているみたいで、2002年に日本で再発盤が出ているため、入手は難しくないみたいですね。
SNS映えするレコードその4

(V.A/BRAZIL BY MUSIC 1972年 Cruzeiro Airlines)
ブラジルのレコード会社が作ったお土産用のレコードで、内容は音楽ブラジル旅行だと言います。機長のアナウンスに続きブラジル各地の音楽が流れるという、 チープでキュートなレコードなのだとか。「再発盤などは出ておらず、当時のものを探すしかないので、ちょっと入手しにくいかもしれない」と教えてくれました。
SNS映えするレコードその5

(GRUPO MANIFESTO/MANIFESTO MUSICAL 1967年 Brazil ELENCO)
ブラジルのエレンコというレーベルからの1枚。このレーベルはジャケットのデザインに秀逸な作品が多いそうで、別本氏もこのレコードも“ジャケ買い”したのだとか。
SNS映えするレコードその6

(O.S.T/BLOW-UP 1966年 US MGM Records)
映画「欲望(邦題)」のサントラ盤で、音楽担当はハービー・ハンコックになります。ようやく筆者でも知っている名前が出てきました・・・。映画公開当時の作品はそれなりの値段がするそうですが、最近の再発盤であれば入手しやすいみたいですよ。
SNS映えするレコードその7

(Lizzy Mercier Desclou/PRESS COLOR 1979年 US ZE Records)
デザインらしいデザインはないものの、微妙なグレーにブルーの文字がとても素敵で、なんと別本氏はこの作品を3枚も持っているそうです。
以前は4,800円くらいしていたそうですが、最近は2,000円くらいで買えるみたいです。この作品に関しては「発売当時のオリジナル盤を探して欲しい」とコメントを寄せてくれました。
SNS映えするレコードその8

(KENNY BURRELL/Midnight Blue 1963年 US Blue Note)
レコードのジャケットデザインを考えるとき、ブルーノートというレーベルを忘れてはいけないそう。
中でも別本氏が気に入っている作品が上述の1枚。レコード自体はすぐ見つかる上に、70年代のレコードになると1,480円ぐらいで買えるケースもあるみたいですよ。
SNS映えするレコードその9

(Donald Fagen/The Nightfly 1982年 US Warner Bros. Records)
匂い立つダンディズムが魅力の1枚で、ジャケット上部の文字色だけでも4種類のパターンがあるのだとか。ちなみに写真の作品は1番人気の2色使いだと言います。
オークションでは2色使いの作品が5~6千円する一方で、街のレコード屋さんでは日本盤が300円くらいで手に入るみたいですよ。
SNS映えするレコードその10

(Rolling Stones/Sticky Fingers 1971年 Rolling Stones Records)
ローリング・ストーンズが自分たちでレーベルを立ち上げてから発表した第一弾作品が、この有名なジッパージャケットになるそう。なんとデザインはアンディ・ウォーホルなのだとか。ジッパーは実際に開閉できる上に、各国で違うジッパーが採用されていると教えてくれました。ちなみに日本盤にはYKKのファスナーが使われているみたいですよ!
SNS映えするレコードその11

(The Medium is Massage with Marshall McLuhan 1968年 US Columbia)
カナダ出身の英文学者にして、メディア論の大家として知られるマーシャル・マクルーハンが残した「The Medium is Message(メディアはメッセージである)」という言葉をもじったタイトルだと言います。Massage(マッサージ)というだけあって、聴いているうちに脳がグニャグニャにほぐれる内容のレコードみたいです。
SNS映えするレコードその12

(O.S.T/The Thomas Crown Affair 1968年 US United Artists Records)
映画『華麗なる賭け』の本編に負けず劣らずスタイリッシュなジャケットデザインの一枚になります。
SNS映えするレコードその13

(LES BAXTER/AFRICAN BLUE 1969年 US GNP Crescendo)
エキゾミュージックの巨匠レス・バクスターの作品で、この方にはナイスなB級感のデザインが多いのだとか。「レコードでの再発がなく、オリジナル盤が出てきても高かったりするので、気長に安く見つかる幸運を待ちましょう」とのアドバイスがありました。
SNS映えするレコードその14

(The Mothers of Invention/FREAK OUT! 1966年 US Verve Records)
筆者はちょっと意味が分かりませんが、この作品は一言で済ませると、「必要だ」ということみたいです。
SNS映えするレコードその15

(MICHEL LEGRAND And His Orchestra/THE NEW I LOVE PARIS 1961年 US Columbia)
モノラルで1954年に発表されたアルバムを、ステレオで録音し直した作品だと言います。元のジャケットは小さくプリントされているおじさんの写真だったみたいですが、キュートなデザインに大変身したのですね。内容はパリにちなんだ楽曲のイージーリスニング集だと言います。
以上、レコードコレクターの別本啓一氏が提案する、SNS映えするレコードのジャケット15選になりますが、いかがでしたか? 実際にお店で見つけたら、写真撮影だけでなく思い切って買って、音楽に耳を傾けてみると、何か自分の中で新しい扉が開くかもしれませんね。
[取材協力・・・別本啓一。1978年富山県生まれ。新潟大学卒業後は教員になるも1学期でドロップアウト。以後はジャズ喫茶などで勤務する。

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