ヴァンティミーリアというイタリアの小さな街をご存知でしょうか。よっぽどのイタリア通でない限り、知っているという方は少ないかと思います。
ヴァンティミーリアはフランス国境の街マントンから電車で10分で行けるイタリアの都市。その魅力を現地ルポいたします。

フランスから地方特急列車に乗って10分
フランスから10分で行ける、イタリアの国境の街「ヴァンティミーリア」


コート・ダジュールの主要都市を結ぶ、TER(地方特急列車)の終点が、イタリアのヴァンティミーリア。ニースからは50分、フランス国境の街マントンからは10分で行くことができます。

筆者はマントンから列車に乗りました。美しいコート・ダジュールの海沿いを走り、あっという間に到着です。ヨーロッパなのでもちろん出入国審査はありません。まるで隣町に行くような感覚で、イタリアに来てしまいました。電車で10分という至近距離なのに、ここでは皆イタリア語を話しています。なんとも不思議な感覚です。

ヴァンティミーリアはマルシェが有名
フランスから10分で行ける、イタリアの国境の街「ヴァンティミーリア」


フランスから10分で行ける、イタリアの国境の街「ヴァンティミーリア」


ヴァンティミーリアの駅から、海沿いへ向かって行くと、マルシェ(市場)があります。ヴァンティミーリアはマルシェが有名な街。
野菜などは、フランスよりも安価なので、マントンに住むフランス人は、わざわざヴァンティミーリアのマルシェまで来るのだとか。

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筆者も、イチジクやトマト、きゅうりなどを購入してみました。太陽をたっぷり浴びたイタリアのトマトは甘みが凝縮されているようで、とっても美味。マルシェでは、イタリアのマンマ(母親)お手製のオリーブオイルやトマトソース、バジルソースなんかも売られていました。

カラフルな可愛らしい街並み
フランスから10分で行ける、イタリアの国境の街「ヴァンティミーリア」


フランスから10分で行ける、イタリアの国境の街「ヴァンティミーリア」


ヴァンティミーリアの街並みは、絵本の中の世界のようにカラフル。ここはイタリアですが、マントンの旧市街地のパステルカラーの街並みと似ているような印象を受けます。古いこのヴァンティミーリアの街並みは味があって、ただ街を歩くだけでも楽しい気分になります。

美しいコート・ダジュールのビーチ
フランスから10分で行ける、イタリアの国境の街「ヴァンティミーリア」


フランスから10分で行ける、イタリアの国境の街「ヴァンティミーリア」


夏のコート・ダジュールのビーチはとにかく人で溢れかえっています。しかし、ヴァンティミーリアのビーチはフランスに比べあまりの人の少なさに驚いてしまいました。ヴァンティミーリアのビーチはフランスのコート・ダジュールのビーチほどは整備されておらず、自然で逆に美しさが感じられました。

美味しいイタリアン
フランスから10分で行ける、イタリアの国境の街「ヴァンティミーリア」


フランスのマントンにも、もちろんイタリアレストランは数多くあります。イタリア人が経営しており、美味しいイタリア料理が食べることができます。
しかし、ヴァンティミーリアで食べたパスタは、これぞ本国のイタリア料理という感じがして、フランスのイタリアンとはどこか違います。こんなに至近距離なのに味に違いが出るのは、水が違うのかイタリアの空気せいなのでしょうか、なんとも不思議です。

ヴァンティミーリアの治安情報
フランスから10分で行ける、イタリアの国境の街「ヴァンティミーリア」


ヴァンティミーリアは治安が悪いという印象は受けませんでした。他のヨーロッパ都市同様、一人で夜の街を歩くということは避けた方がいいでしょう。

ヴァンティミーリアには、イタリアからフランスへ渡ろうとするアフリカからの難民がここ数年で急激に増えているという話を聞きます。実際、ヴァンティミーリアの駅前には難民の方を多く見かけました。そして、ヴァンティミーリアからフランスに帰る電車の中には、警察官が見回りをしています。フランスで時事問題によく上がっている、移民難民の社会問題を垣間見たようでした。

ヴァンティミーリアには驚くほど簡単に行くことができて、フランスとはまた違った体験ができます。南仏旅行の際はぜひヴァンティミーリアまで足を伸ばしてみてくださいね。

[All photos by Nanako Kitagawa]
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