★“KAWAII”カルチャーを象徴 全世界を視野に入れたアイドルとして誕生
わーすたは、エイベックス内のアイドルレーベル「iDOL Street」所属、などに続いて2015年に結成された、坂元葉月さん、廣川奈々聖さん、松田美里さん、小玉梨々華さん、三品瑠香さんによる5人組グループです。
「わーすた」のグループ名は「The World Standard」を意味しています。世界に照準を合わせて活動しているデジタルネイティブ世代アイドルで、SNSとリアルアイドル活動を通じて世界にKAWAIIジャパンアイドルカルチャーを発信していくグループというコンセプトで結成されました。2016年、1stアルバム『The World Standard』でメジャーデビュー。以降、約5年間の活動の中で、7枚のシングル、8枚のアルバムをリリースしています(ベスト盤、ミニアルバム含む)。
デビュー当時からアイドルファンの間では、そのルックスのレベルの高さや個性的な楽曲、“KAWAII”路線のカラフル&ポップな衣装で注目されていました。ですが一般的には「わーすた」というグループ名は知っていても、「どんなメンバーがいるのかわからない」「メンバーの顔と名前が一致しない」という人もまだまだ多いかもしれません。そんな中、最近ではその色とりどりの個性を少しずつ発揮してきています。
5人のメンバーはそれぞれに“オタク的”といえる好きなアイテムがあるのも特徴。松田美里さんは「ゲーム」に詳しく、ゲームに関する仕事や配信なども行っています。
先輩のSUPER☆GiRLSが正統派アイドルのイメージなのに比べて、わーすたの場合、グループカラー的に(いい意味で)クセが強く、全方位から支持されるというより限られた層から熱い支持を得るタイプのグループだと思いますが、これまでの着実なリアル& SNSでの活動を通して、アイドルファン以外の層にもじわじわと認知されてきており、今後の人気の拡大が楽しみです。
★念願の有観客での6周年ライブ「これからのわーすたというものを見せていきたい」
そんな彼女たちの今月3日に発売された新曲『春花火』は、グループ初の桜を題材とした春ソングで、シングルでは初のバラード曲になっています。旅立ちや新しいスタートを迎える人たちへそっと寄り添う曲で、坂元葉月さんは「いろんな方にぴったりで、みんなに自分の曲だなと思ってもらえるくらい、たくさんの方にあてはまる楽曲だと思います」(Girls News 2月28日付)と紹介しています。
昨年発売のミニアルバム『What’s “Standard”!?』ではバンドサウンドが基調となっていて、ロックバンドのボーカルばりにシャウトするような曲もあったり、今回もバラード曲を取り入れたりと、最近は音楽的な挑戦も目立つ、わーすた。廣川奈々聖さんは「わーすたが出すシングルって『にゃー』とかいってる曲が目立ちますけど(笑)、意外と昔からオシャレな曲も歌ってきていて、今回ほどのスローバラードの曲はなかったけど、わーすたのいろんな面を見ていただける機会にもなって……」(同上)と、わーすたの楽曲について語っています。
そのビジュアルのイメージから“自分には合わないだろう”と聴かず嫌いの人もいたかもしれませんが、音楽だけでも十分勝負できるクォリティの高い楽曲を出し続けているので、ミニアルバムや今回のシングルで楽曲の良さを認識した人には、旧譜も遡ってチェックしてみるのをオススメします。
そんなわーすたは3月27日、6周年記念ライブをTOKYO DOME CITY HALLで開催。
昨年も同時期に5周年ライブが予定されていましたが、新型コロナウィルスの感染拡大の勢いが加速していく時期だったということで、直前で無観客ライブ開催となり、残念な思いを経験しました。ですが今回は現在のところ(3月15日現在)、有観客開催が予定されています。
坂元さんは「1年間いろんな曲を出してきて、今年わーすた全員が成人になりますので、これからのわーすたというものを見せていきたいなと思っていて。可愛い曲もあればカッコいい曲もあったり、ちょっと大人な面もあったり、『こんなにわーすたっていろんなことができるんだよ』ということをこのライブで伝えていけたらいいなと思います」(同上)と意気込んでいます。
そのわーすたの6周年ライブは3月27日、TOKYO DOME CITY HALLで開催。アイドルファンの人もそうでない人にも注目してもらいたいものです。
文/田中裕幸