海外でも愛される日本の歌と言えば『上を向いて歩こう』などが思い浮かぶ。テレビ東京ではこれまでも海外ロケで出会った人々が愛す“日本の歌”を取り上げてきたが、ある国で取材した尾崎豊の名曲『卒業』が歌われる理由はこれまでになかったものだ。


11月24日放送された『世界193カ国を完全制覇!全世界の衝撃映像SP』(テレビ東京)で“世界で出会った!なぜか歌える!日本の歌!”と題して各国で愛される日本の歌を取り上げた。ガーナでは『天城越え』(石川さゆり)、トリニダード・トバゴでは『愛は勝つ』(KAN)、モンゴルでは『北国の春』(千昌夫)をどれも若い女性が流暢な日本語で見事に歌っていた。

また、子どもたちが学校や教会などで唱歌・童謡を歌うケースもあり、ポーランドで『故郷』(ふるさと)を讃美歌のように合唱すれば、ザンビアでは『どんぐりころころ』をちょっぴりラップ調で楽しく踊りながら歌い、パプアニューギニアでは『あめふり』を歌いながらフォークダンスのように踊る。

そんななか、北アフリカのスーダンでは尾崎豊の『卒業』が若者たちの間で愛されているという。映像では日本の詰襟学ランを着た10代か20代前半と思われる男性2人がギターの演奏に合わせて「この支配からの卒業~」と上手に歌っていた。ナレーションによると彼らは「日本人がスーダンに抱くイメージを、紛争や内戦などネガティブな一面だけでなく、ポジティブなものに変えたいとの思いから歌っている」そうだ。


VTRを見ていた番組出演者たちは彼らの歌を「うまい」と感心していたが、『卒業』を歌う意外な理由を知ると「そうなんだ~」と驚いた。6月29日放送の『テレ東音楽祭 2016』では「圧倒的に世界で歌われていた」のがKiroroの『未来へ』と紹介された。ただ、歌は日本人と変わらぬほど上手いが歌詞の意味を理解する人は少ないようだ。

スーダンで『卒業』を歌う若者たちは歌詞の内容に共感しているところが、他のケースと大きく違う。尾崎豊も『卒業』が海外の紛争地帯でそのように愛されるとは思わなかっただろう。


出典:https://www.youtube.com
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)