エア・カナダの旅客機について、このほど米サンフランシスコの空港から着陸におけるとんだ判断ミスがあったことが報じられた。エプロン(駐機場)と滑走路を結ぶ誘導路に着陸しそうになったもので、旅客機は管制塔の指摘により際どいところで機首を上げたが、ほかの機体に衝突しかねない非常に危険な状況であったようだ。


問題の旅客機はカナダ・トロントのピアソン空港を7日夜に飛び立ち、深夜11時56分にサンフランシスコ国際空港に着陸しようとしたエア・カナダAC759便。アメリカ連邦航空局(FAA)が明らかにしたところによれば、管制塔は同機に滑走路“28R”への着陸を許可したものの、パイロットはなぜかそれと並行している誘導路“C”へ。これに気づいた管制塔側が誤りを指摘し、4機が列をなしてタキシング中という非常に危険な状況でゴーアラウンドとなり、事故は回避できたという。

着陸間際のパイロットと管制塔職員のやりとりについて1分06秒の音声記録が公開されたが、パイロットの「“滑走路”に少し飛行機のライトが見えます」に対し、管制塔は「現在は1機もいません」と両者の認識には最初から食い違いがあることがわかる。その後、別の職員が「一体どこに向かっているんだ!? そこは誘導路だぞ!」と両者のやりとりを大声で遮っている。このミスの原因についてはパイロットの誤った思い込みが強く疑われるが、ほかの要因について調査はまだ続けられるもようだ。


メディアの取材を受けた元ユナイテッド航空のパイロットで「Aero Consulting Experts」の最高責任者であるロス・エイマー氏は、「もしもエア・カナダ機がそのまま着陸していたら、おそらく史上最悪の航空機事故になっていたであろう」と語っている。

画像は『Global News 2017年7月11日付「Air Canada plane almost lands on crowded taxiway at San Francisco airport」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)