首が90度曲がったままの9歳少女　学校にも行けず（パキスタン）＜動画あり＞

パキスタン南部に住む9歳の少女は首が90度曲がっており、彼女を見る周囲の目は非常に冷たい。学校に通えず、病気の治療も受けられない娘を持つ両親の声を『Metro』『India TV News』など複数のメディアが伝えている。シンド州のミティ（Mithi）に住むアフシーン・カンバールちゃん（Afhseen Qumbar、9）は首が90度曲がった状態で、うまく立ったり歩いたりすることができない。生まれた時は何の異常もなかったアフシーンちゃんだったが、生後8か月の時に家の外で遊んでいて突然転び、首を痛めたことがきっかけで小さな身体に少しずつ異常が現れ始めた。7人の子供を抱え、定職がない父親のアラー・ジュリオさん（55）と母親のジャミーランさん（50）はアフシーンちゃんを病院に連れていくお金がなく、地元の信仰療法士に助けを求めていた。しかし、何とか治って欲しいという両親の願いに反し、アフシーンちゃんの症状は悪化の一途をたどっていった。ジャミーランさんは、アフシーンちゃんについて次のように語っている。「成長とともにアフシーンは首を真っすぐに保つことができなくなり、頻繁に痛みを訴えるようになりました。そのうち食事やトイレにも介助が必要になり、一日の大半を部屋の隅で座って過ごすようになってしまって。時々きょうだいと遊ぶくらいで、友達もいません。学校にも通えない状態です。」何よりも家族を追い詰めたのは、周りの冷たい反応だったという。普通の子とは違った外見のアフシーンちゃんに近所の子供は怖がって近寄らなくなり、大人に至っては「彼女がこうなったのは何らかの罪を犯したから」と蔑んだ。アラーさんは「娘のことをよく言う人はいません。時には笑われ、奇異の目で見られるので、娘は外出しなくなりました。まっとうな教育を受けさせてあげたいのに、受け入れてくれる学校もないのです。これは差別であり、私たちは非常に傷ついています」と肩を落とす。そして「今のアフシーンは赤ん坊と同じです。私たちは何をするにも彼女を抱えて移動しなければなりません。でも彼女も9歳です。これ以上大きくなったらどうしたら良いのでしょうか」と心配は尽きないようだ。両親はこれまでに地元の病院をいくつか訪ねたものの、「ここでは治療ができない。病名の判断さえつきかねる」と突き返されている。医師らは設備の整ったカラチの「ジナ・ポスト・グラデュエイト・メディカル・センター」で検査を受けるように勧めているが、家族が所有する農場と月3万円にも満たない長男（25歳）の稼ぎだけが頼りの2人に、アフシーンちゃんを大病院に連れていくお金はない。地元で個人病院を経営するディリップ・クマー医師は「非常に稀なケースです。筋疾患、もしくは脊髄に何らかの異常があるものと思われますが、詳しく検査をしてみなければ治療はできません」と話している。アラーさんは「私たちはパキスタン政府に娘を助けてくれるようお願いしています。政府が手を貸してくれれば、娘は普通の生活が送れるようになるかもしれません」と述べ、「娘の将来の夢や希望を捨てることはできません」と訴えた。なお昨年2月、アフシーンちゃんのように首が曲がり学校に通えなかった13歳少年が、多くの人々のサポートによって手術を受けている。少年は9か月後に突然死してしまったが、彼の母親は「短い間でも新しい人生を手に入れることができて良かった」と述べていた。画像は『Caters Clips 2017年10月27日公開 YouTube「Girl’s Head Hangs At 180 Degree Angle」』のサムネイル（TechinsightJapan編集部 A.C.）