数々の大ヒット映画に関わった“ハリウッドの超大物プロデューサー”ハーヴェイ・ワインスタインだが、「その裏の顔は権力を振りかざし女性に性的ハラスメント行為を繰り返す鬼畜だ」と多くの女優達が声をあげた。なかでも女優ローズ・マッゴーワンは「1997年にワインスタインからセクハラ行為を受けた」と強く主張。
そんな中でローズの元マネージャーがワインスタインに伝えた“ある内容”が物議を醸し、それを苦にした元マネージャーが自らの命を絶ってしまった。

かつてローズ・マッゴーワンのマネージャーを務めていたジル・メシックさんが自殺したとして、遺族がハーヴェイ・ワインスタインとローズの双方に苦言を呈している。昨年はローズを含む大勢の女優達が「ワインスタインにセクハラ行為を受けた」と名乗りをあげ大騒動となったが、ジルさんはローズに同情し上司に相談、「どうにかしてあげて」とかけあったという。だがローズは当時を振り返り「マネジメントチームのサポートを得られた気はしなかった」と述べ、ジルさんを含む関係者らを批判したことでジルさんは少なからずショックを受けていたもようだ。そんな中、1月にはワインスタインの弁護士が“ジルさんからのメール”を公開した。そこに「ローズはワインスタイン氏とホットバスにはいることに同意していました」「しかしローズはそれを悔いているのです」といった内容があり、セクハラそのものには無関係だったジルさんも「ワインスタインを擁護か」という批判に晒され、精神的に追い詰められていたそうだ。


ジルさんの遺族はその経緯について、このように語っている。

「あのメールに、ジルはローズから聞いた話のうち覚えていることを書いたのです。」
「しかしワインスタイン側は、ジルの同意を得ることもなくメールを公開しました。」
「疑惑を晴らそうと必死なワインスタインが、ジルをボロボロにしたのです。」

またジルさんは「自分が釈明することでセクハラ撲滅運動への関心が自分の話題に逸れてしまう」と懸念し、結局は口を閉ざして釈明をしなかったとのこと。またセクハラそのものとは無関係であり、また世間に名を知られることを望んでいなかったにもかかわらずこのような結果になったことを、非常に残念に思っていたもようだ。ちなみにワインスタインとローズの関係について、遺族はこう述べている。

「ローズは、“強姦”という言葉は一度も使っていなかったのです。でもジルは『違法なことではないにせよ、ワインスタインが何かをした』と気づいていました。
そこですぐに上司のところに行きローズの話をし、対処するよう主張したのです。そして上司たちも『なんとかする』とジルに話してありました。」

一方でローズはジルさんの知らぬ場でワインスタインと協議を進め、和解金などにつき交渉を進めていたもよう。家族はその流れをこう明かしている。

「ジルが知っていたのは、2人が協議して和解したこと、そしてローズがその後もワインスタインと映画の仕事を続けていたことのみです。最近になってローズがワインスタインとの件を公表するまで、詳細は知らなかったのです。」

ローズの主張する「ワインスタインによるセクハラ行為」は同意に基づくものだったのか、それとも無理強いだったのか。何の罪もなかったジルさんが自らの死を選び深い悲しみを背負った遺族は、「どうしてこのようなことになってしまったのか」とやり場のない怒りに震えている。


画像は『Rose McGowan 2018年2月2日付Instagram「Rising on the sound waves of our unity and bravery.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 ケイ小原)