愛する我が子を突然亡くした親の悲しみは計り知れないものがあるが、それが自分の不注意でとなれば悲嘆の大きさはその比ではないだろう。このほどスコットランドで良かれと思ってテディ・ベアのぬいぐるみを眠る我が子のそばに置いた母親が翌朝、娘と永遠の別れを迎えることとなってしまった。
自分を責め続けている母親のことを『The Scottish Sun』『Metro』などが伝えている。

スコットランドのダンディー市に住むデキシー・リー・ウォルシュさん(Dexy Leigh Walsh、23)には、5歳になるディオールちゃんと1歳半になるコニーちゃんの2人の娘がいた。デキシーさんのFacebookには娘たちに惜しみなく愛情を注いでいる写真が多く見受けられる。

しかし先月6日の朝8時頃のこと、コニーちゃんを起こすためベッドを覗いたデキシーさんは頭が真っ白になった。そこには大きなテディ・ベアの下敷きになってぐったりしたコニーちゃんの姿があった。

すでに息はしていない状態で、デキシーさんは心肺蘇生(CPR)を試み救急車を呼んだ。
救急隊が到着した後、すぐ隊員がデキシーさんに代わりCPRを再度試みたが、コニーちゃんの呼吸は戻ることなくそのまま亡くなってしまったのだ。

実は前日の夜、デキシーさんは部屋の壁に面したコニーちゃんのベッドに頭をぶつけたりベッドと壁の隙間から落ちないように、いくつかのぬいぐるみを置いた。そのうちの一つが、ゆうに60センチ以上はある大きなテディ・ベアのぬいぐるみだったのだが、コニーちゃんの頭の近くに置いていたため、何らかの拍子で覆いかぶさってしまったのが死因のようだ。

デキシーさんはコニーちゃんの死は自分に責任があると感じており、このように振り返っている。

「娘を殺したのはテディ・ベアのぬいぐるみでした。コニーは眠っている最中に息ができず苦しんでいたに違いありません。
そして大きなテディ・ベアのお尻の下でもがいていたんだと思います。結局、娘が助かる道は無かったのです。」

「その朝、私はコニーが息をしていないと分かった瞬間、『コニーが死んでいる!』と叫びながら恋人のマーレイがいるベッドルームまで走って行きました。その時、ディオールが私の横に立っていたことも気付かないほど動転してしまったのです。私は『マーレイ! マーレイ! コニーが起きない!』と叫ぶしかありませんでした。」

「娘の死が告げられた後、私は30分ほどコニーを抱きしめ続けました。それは私の人生で最悪の瞬間でした。そしてこう思ったのです。
こんな苦しみは私だけで充分だと…。」

コニーちゃんは多くの人に見送られながら、先月21日に埋葬された。デキシーさんはコニーちゃんを失った悲しみに耐えることができず、辛い思い出が残ってしまった家を出てしまったという。今は戻って来ているが、未だにコニーちゃんの部屋に入ることができず、ディオールちゃんをひとりで寝かすのが怖くなってしまったそうだ。

毎晩、ディオールちゃんと一緒に階下で眠り、時には夜中に頬をつついたりして、生きているかどうか確認することもあるという。

まだ心の傷が癒えないデキシーさんだが、‟眠っている子供のそばにおもちゃを置くことがいかに危険か”ということを訴えるために「Connie Rose Awareness」というFacebookを立ち上げた。そして、このように訴えている。


「SNSで子供のベッドにぬいぐるみがある写真を見ると、心穏やかではいられません。私は身をもってこれが危険であることが分かったのです。確かにぬいぐるみを抱いてくつろぐ我が子の姿が見たい親もいるかもしれません。だけどお願いです。それらを置きっぱなしにしないでください。」

「私はみなさんに伝えなければと思いました。子供たちのベッドから離れる際はぬいぐるみや枕をそばに置いたままにしないで。
それによって我が子が窒息死してしまうこともあるのです。私の娘はテディ・ベアのぬいぐるみがそこになければ、今も生きていたと思っています。」

そのFacebookには、現在4万人以上が訪れているという。また閲覧者が増えてくれることによって、誰かの赤ちゃんを救うことに繋がることをデキシーさんは願ってやまないようだ。

画像は『Connie Rose Awareness 2018年4月17日付Facebook』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)