2016年に俳優のジョニー・デップ(55)との離婚を申請し、ジョニーからDV(ドメスティック・バイオレンス)を受けたと主張して泥沼の離婚劇を繰り広げた女優アンバー・ハード(32)。現在は「アメリカ自由人権協会(ACLU)」の女性の権利のアンバサダーを務めるアンバーが、DV告白後に仕事を失ったことをコラムで明かした。


アンバー・ハードは俳優ジョニー・デップと2015年2月に結婚するが、翌年5月に離婚を申請した。アンバーはジョニーからDVを受けたと主張し、これをジョニーは否定。離婚は泥沼化したが、ジョニーが和解金700万ドル(約7億円)を支払い、アンバーがそれを小児病院とアメリカ自由人権協会(ACLU)の2団体に全額寄付して2017年1月に離婚が成立している。

アンバー・ハードは写真や動画を公開してDVを主張していたが、相手が大物俳優ジョニー・デップだけにアンバーの言葉を信じない人は多くいた。それはジョニーの元パートナーで歌手兼女優のヴァネッサ・パラディが「彼は私に暴力をふるったことは一度たりともありません」と擁護したり、娘リリー・ローズ・デップが「パパは、私が知る中で誰よりも優しく愛情あふれる人」と表明していたことが理由の1つとして考えられるだろう。

そのアンバー・ハードが現地時間18日、『Washington Post』にコラムを掲載したが、DV告白後の状況をこのように綴っている。


「2年前、私はドメスティック・バイオレンスを代表する存在として有名になりました。女性が告白することに対する私たちの文化の怒りを、身をもって知ることになりました。」

「友人やアドバイザーは私が女優として二度と働くことはできないだろうと言いました。ブラックリストに載ってしまうと。私に決まっていた映画の役は(他の人に)キャスティングし直されました。世界的に有名なファッションブランドの広告塔として2年キャンペーンをする予定で撮影をしましたが、その会社は私を(広告塔から)おろしました。『ジャスティス・リーグ』や『アクアマン』の映画でメラの役をキープすることができるのか、疑問が大きくなりました。」

アンバーはこのコラムで、1994年に成立した女性に対する暴力防止法(Violence Against Women Act)の再承認やさらなる改正が必要だと指摘。
さらに、女性が性的暴行被害について躊躇することなく告白できるフェアな環境作りが重要だと主張した。そしてDV告白後の環境の変化について、こう明かした。

「殺害の脅迫が来るため、私は1週間ごとに電話番号を変えていた女性という立場でこれを書いています。何か月もアパートを出ることができず、出ればドローンのカメラ、バイクや車に乗ったカメラマンに追われました。」

「私は暴力を受けたことを告白した女性たちがもっとサポートを得られるようにしたいです。私たちはこれらの問題について深く理解した議員を選んでいきます。」

DCコミックス新作『アクアマン』(2019年2月8日、日本公開)でアトランティスの女王メラ役を演じるアンバー・ハード。DV告白後に仕事が減っていったため、アンバーはメラ役をとても大切に思っているだろう。
DV告白で「自作自演なのではないか」と多くの疑いをかけられたアンバー・ハードと、事実関係が分からないまま「暴力男」というイメージがついてしまったジョニー・デップ。どちらにとっても今回の離婚劇で植えつけられたネガティブなイメージは、なかなか払拭できないようだ。
(TechinsightJapan編集部 朝倉リリー)