ネット上には多くのインフルエンサーと呼ばれる人達がいるが、カナダに住む定年を過ぎた男性も野生のアライグマに餌やりする動画をYouTubeに公開して人気を集めている。しかしこの男性、名声を得るためではなく亡くなった妻の意志を継いで餌やりをしていた。
『Bored Panda』『Laughing Squid』などが伝えている。

カナダのノバスコシア州に暮らすジェイムズ・ブラックウッドさん(James Blackwood)は、 “アライグマの調教師(Raccoon Whisperer)”の異名を持つ人気ユーチューバーである。彼のYouTubeチャンネルの登録者数は26万3000人以上に上り、野生のアライグマと触れ合う動画を公開することで毎回多くの人を魅了している。

ジェイムズさんは王立カナダ騎馬警察(RCMP)の元警察官で、引退してからは自然に囲まれた現在の家でのんびりと過ごしているようだ。

そんなジェイムズさんは、ほぼ毎晩のように自宅裏庭のデッキでアライグマに餌やりをしている。今月3日に公開された動画には、約25~30匹ものアライグマがソーセージを持ったジェイムズさんを取り囲んでいる様子が映っていた。


アライグマ達はまるで子供がお菓子をねだるように2本脚で立ち、両前足をジェイムズさんの方に伸ばしてソーセージをねだっている。中には彼の肩の上に乗るアライグマもおり、ジェイムズさんは“アライグマまみれ”になって嬉しそうだ。

この動画は既に830万回以上も再生され、人々の目を楽しませてくれたようで次のようなコメントが寄せられた。

「みんな選挙のことで頭がいっぱいの中、この男性はただただアライグマに餌やりしてくれてたんだね。」
「アライグマ達が、『彼は僕達の救世主だ』なんて言ってそうだね。」
「うわー! まるで大きなピカチュウみたいだ。」


しかし中には「野生動物に餌をやらないで」と非難の声も届いた。実はジェイムズさん、25年前からアライグマに餌やりをしているそうだが、それを続ける大切な理由があった。彼には長年連れ添った妻がいたが、2003年にがんで亡くしている。


妻は晩年、ジェイムズさんに「私の母と猫、そしてアライグマの世話を続けて欲しい」とお願いしていたという。そのことについてジェイムズさんは次のように語っている。

「私は妻の願いを尊重し、義理の母の面倒を見て、アライグマや猫の“コナー”と“シャーロット”の世話を続けています。猫達は室内で飼ってるんですよ。」

「あと、餌代としてみなさんからお金の寄付やプレゼントなどの申し出があり、とても感謝していますが、私としては受け取ることができません。是非、あなたの地域の動物虐待防止協会(SPCA)や動物保護団体に寄付してください。」

ジェイムズさんの事情を知った人からは「彼は亡くなった妻の意志を継いでいたんだね。なんだかとっても切ない」といった声も見受けられた。
しかしながら動画の中でアライグマに餌をあげるジェイムズさんは、いつも幸せそうな表情を浮かべている。



画像は『Bored Panda 2020年11月12日付「Every Night, This Man Feeds Hot Dogs To This Pack Of Raccoons As Per His Late Wife’s Wish」(Image credits: James Blackwood - Raccoon Whisperer)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)