「英国版の志村けん」を思い浮かべるような、個性的なキャラクター『Mr.ビーン』を演じた英俳優ローワン・アトキンソン(66)。そのアイコン的なキャラクターのお陰で大スターとなったローワンだが、このほど当時の役柄に関して「ストレスでしょうがなかった」と本音を告白した。


『Mr.ビーン』といえば、年齢不詳のミステリアスな成人男性が“おバカ”な行動を起こしては視聴者から笑いを集めるという、90年代にお茶の間で人気を博した英コメディTVシリーズだ。お下劣なシーンもあり「なんともくだらない」と捉える人も少なくないが、アニメにもなり世界的にオンエアされるほどの大ヒットを記録した。Mr.ビーンを演じたことで輝かしいキャリアを手にしたローワン・アトキンソンだったが、「Mr.ビーンでの成功は別に嬉しく感じたことはなかった」と仰天告白。英メディア『Radio Times』にてこのように胸中を明かしている。

「子供じみた振る舞いをする大人を“不適切”と思わずに見れば、本来おもしろいよ。」
「口語的ではなく視覚的なコメディであったから、世界的にヒットもした。」


本作品は会話的なやり取りはなく視覚的な演出を主とするものであったことから、言語がわからなくても誰でも楽しめる内容だったと分析するローワン。続けて「人々がMr.ビーンに会いたいと思ってくれることはとても嬉しいことさ。
でも僕はソーシャルメディアでの存在を残したいとは思わない。今となっては僕の中では余興みたいなもんだ」と語り、当時の役柄については決して満足していなかったもよう。


また続編の可能性について尋ねられると、ローワンは「アニメシリーズも作られたけど、僕達は今Mr.ビーンのアニメ映画を手掛けている。俳優として演じるより声優で演じるほうがまだやりやすいんだ」とファンにとって嬉しいニュースを報告。初期のTVシリーズにアニメ、そして現在進行形で制作中のアニメ映画含めかれこれ30年間Mr.ビーンを演じ続けるローワンだが、「彼を演じることはそんなに楽しんでいない。“責任の重さ”で行うことは楽しめないよ。
ストレスで疲れてしょうがないし、制作終了までが待ち遠しいよ」と正直な気持ちを漏らした。ストレスに感じるほど嫌う役を演じてきたというローワンだが、演技中に悟られなかったのはさすが俳優といったところであろうか。

なお「表現の自由」を尊重するローワンは、現代の社会問題の1つ“キャンセル・カルチャー”についても触れ、「幅広い意見に晒されることは大切なことだが、ネット上の僕達は今、焼き殺す誰かを探すため街をうろついている中世の暴徒とほぼ同じだ」と警鐘を鳴らした。SNSが普及してからよく耳にするようになったキャンセル・カルチャーは、好ましくない発言や行動をしたという理由で集団から追放(キャンセル)することを表すが、これに関してローワンは「キャンセルされることは誰でも怖いと思うし、僕も将来について不安でいっぱいだよ」と今後について懸念を明かした。

画像1~3枚目は『Mr Bean 2020年11月11日付Instagram「Thinking Bean」、2020年10月31日付Instagram「So electrifying!」、2020年1月11日付Instagram「I don't believe it!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MIE)