米歌手ブルース・スプリングスティーン(71)が昨年11月に飲酒運転で逮捕されたのは、現場に居合わせたファンに勧められたテキーラのショット1杯を飲んだことであると『New York Post』が報じた。ブルースは当日オートバイを運転しており、ファンから写真撮影を求められて一時停止したという。ブルースは現地時間7日に開催したスーパーボウルで自動車「ジープ(Jeep)」のコマーシャルに出演したが、逮捕発覚後ブランドの公式YouTubeチャンネルから動画が削除された。

現地時間10日、『TMZ』はブルース・スプリングスティーンが昨年11月14日に飲酒運転で逮捕され、今後数週間のうちに裁判所に出廷する予定であると報じた。ブルースは米ニュージャージー州ゲートウェイ国立リクリエーションエリアのサンディ・フックにある閉鎖地域で、無謀運転と飲酒をしていたという。

『New York Post』は現地時間11日、ブルースがテキーラのショット1杯を飲酒した後で逮捕されたと伝えた。ブルースを知る情報筋は同メディアの取材に応じ、オートバイを運転していたブルースを見つけたファンが写真を撮るために停止してくれと頼んだことを説明し、このように続けた。

「ブルースはバイクを停めて写真を撮りました。するとファンがテキーラを勧めたのです。ブルースは停止したバイクに座り、それを飲みました。その様子を警察が見ており、ブルースが運転して去ろうとしたところを引き止めたのです。」

ブルースは現地時間7日にフロリダ州で開催されたスーパーボウルで、自動車「ジープ」のコマーシャルに初出演したばかりだった。テレビ中継の試合の合間に流される映像は、30秒枠が500万ドル(約5億2400万円)超という米国で最も高額なコマーシャルとして知られている。スポンサー各社は毎年ハリウッドスターなどを起用し、凝った映像を制作している。

ブルースの飲酒運転による逮捕発覚後、「ジープ」の公式YouTubeチャンネルは彼が出演したコマーシャル動画を削除した。2分間に及ぶ映像ではブルースのナレーションが流れ、ジープに乗ったブルースが米カンザス州の都市レバノンをドライブする姿を映したものだ。

「ジープ」はこの件について「我々が読んだのみで立証もできない内容について、コメントするのは不適切だ」と述べた上で、コマーシャル映像の配信停止についてこのように声明を発表した。

「しかし事実が確定するまで、我々のビッグゲームのコマーシャルを一旦停止するのも正しいことだ。コマーシャルが伝えるコミュニティと団結のメッセージの関連性は、これまでと変わらない。飲酒運転は決して許されないというメッセージと同じように。」

ブルースは昨年10月23日に20作目のスタジオアルバム『Letter To You』をリリース、全米アルバムチャート「ビルボード200」で初登場2位、世界11か国で初登場1位を獲得する大ヒット作となった。

なおブルースは自身の伝記で、アルコール中毒の父親を見てきたため、22歳まで飲酒したことはなかったと明かしている。

「自分自身が怖かったんだ。自分がしてしまうことや、自分の身に起こるだろうことがね。父親の姿を見てきたし、それだけで十分だったよ。音楽が、僕が必要とする頂点にまで上り詰めさせてくれると思っていたからね。」



画像2枚目は『Bruce Springsteen 2020年9月10日付Instagram「New album #LetterToYou featuring the E Street Band coming October 23.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)