スコットランド在住のシェリル・ハーキンスさん(Sheryl Harkins、36)が今月11日、Facebookに「これが私たちの郵便配達員よ」と書いて投稿した動画が物議を醸している。動画に映し出されているのは英郵便サービス「ロイヤルメール」の配達員で、雪の中で転倒し動けないでいる高齢女性を助けることなく放置したという。
『Metro』『The Sun』などが伝えている。

スコットランド、フォルカークに住むシェリルさんの叔母パトリシア・スチュアートさん(Patricia Stewart)は今月10日、郵便物を取りに玄関に出たところ、雪が固まった氷の上で足を滑らせて転んでしまった。パトリシアさんは72歳と高齢で、転倒した際に頭を打って動けなくなり、玄関先にやってきた郵便配達員に助けを求めた。

しかしながら郵便配達員は「俺はクタクタなんだよ。本当にクタクタなんだ」などと口走り、パトリシアさんを助けることなくその場を後にした。

この時の2人の様子は向かいに立つ家の監視カメラが捉えており、動画では赤いジャケットを着た郵便配達員がパトリシアさんと話をしているようだが、地面に倒れたままであろう彼女の姿は映っていない。


昨年の9月から叔母の世話をしているというシェリルさんは問題の動画について、Facebookの中でこう説明した。

「カメラが拾った声をよく聞いてみて! 郵便配達員は叔母に『あんたを助けることはできないよ。俺はこんな天気の日に早朝から働きづめなんだ』と言ってるの。そうして72歳の叔母を雪の中に置き去りにしたのよ。」

「幸いなことにこのすぐ後、配送業者“ハーミース(Hermes)”の女性配達員がやってきて、近所の人に助けを求めたわ。本来だったら郵便配達員がやるべきことよね。」

「女性配達員には感謝しているわ。だってもし彼女があのタイミングで現れなかったら、叔母は大変なことになっていたかもしれないから。
同じ人間なのにこんな対応をするなんて、あまりにも最低で言葉が見つからないわ。」


シェリルさんによるとパトリシアさんは無事だったものの、その夜はイギリスで26年ぶりの記録的な寒さだったそうで「この動画を見るまでは、本当にこんなことが起きたなんて信じられなかったわ。人間として全く許されることではないでしょう!」と怒りをぶちまけた。


ただシェリルさんのFacebookには、全国のロイヤルメールの配達員から「ロイヤルメールは彼のような者ばかりではない。彼に代わって謝りたい」というメッセージが多数届いているとのこと。またロイヤルメールのスポークスマンもパトリシアさんに謝罪し、すぐさま調査を開始している。一部報道によると、すでに問題の郵便配達員は判明しているとのことだが、本人からパトリシアさんに謝罪の言葉はないという。
またパトリシアさんの家族はこの男性の解雇を求めているが、その後の処遇については明らかになっていない。

ちなみにこのニュースへのコメントは大炎上し、「最悪のケースもあり得た状況。私が家族だったら、同じように解雇を求める」「人間としてどうなんだろう」「疲れているから助けないって、なんて世の中だ」「救急車を呼ぶだけでも良かったはず。あんな寒い日に置き去りにするなんてあり得ない」「うちの母は転倒し、近所の住民に助けられた。もし助けがなかったら今の母はいないだろう。それを思うと許せない行為」などと、郵便配達員を非難する声が多数あがっている。




画像は『Metro 2021年2月12日付「Royal Mail postman leaves pensioner lying in snow because he’s ‘too tired’ to help」(Picture: Sheryl Louise Harkins / Facebook)(Picture: JPI Media / SWNS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)