家族同然の愛犬を亡くしたイギリスのある女性はこれからもずっと一緒にいたいと願い、愛犬を剥製にしたという。出来上がってみると「ちょっと違和感がある」と明かしながらも、剥製となった愛犬に毎日「おはよう」と声をかけ、生前と変わらずに愛を注ぎ続けている。
『Metro』などが伝えた。

英リンカンシャー州アルフォード在住のキミー・ウォーカー=ハリスさん(Kimmy Walker-Harris、40)は、愛犬の“フィフィ(Fifi)”を「今まで飼った中で最高の犬」と愛してやまなかった。家族には冗談を交えながらも「このまま保存しておきたい」といつも話していたそうだ。

そんなフィフィは今年2月、13歳で天国へ旅立った。

「フィフィは飼っている10匹の犬たちの中で2番目に小さな犬でしたが、ボスのような振舞いをしていましたよ。とても個性豊かな犬でした。」

そのように元気だった頃のフィフィを振り返ったキミーさんだが、たくさんの愛情を注いできたフィフィを亡くした悲しみはとても耐えられるものではなかった。
これまで愛犬が亡くなった時は埋葬し供養してきたキミーさんだったが、今回は違った。キミーさんはその悲しみを埋めるため、400ポンド(約6万1000円)を支払ってフィフィを剥製にすることに決めたのだ。

「昨年の8月にフィフィが病気になった時、『フィフィの姿を毎日見ることができなくなったら、一体どんな気持ちになるんだろう』と思い始めました。そして『フィフィと毎日会えなくなってしまうなんて考えられない。毎日会って、毎日触れたい』という考えに至り、剥製にすることを決めたんです。」

そう明かすキミーさんは、獣医によってフィフィの死が確認されると、あらかじめ剥製にするための手順をしっかりと確認していたようで、すぐに遺体を冷凍庫に入れて保存したという。そして1週間後にフィフィを剥製師に郵送した。


夫のスチュアートさん(Stuart、44)と2人の子どもは、フィフィを剥製にするというキミーさんのアイディアにはさすがに眉をひそめていたという。キミーさんは「私の犬でもあったので、夫は最終的に『君の好きなようにしたらいいよ』と言ってくれました」とのちに語っている。


依頼する剥製師を探していた際には、多くは野生生物のみを扱っているようで「野生生物とは違うから難しい。飼い主が知るペットの性格や特徴を捉えることは難しい」と言われてしまったそうだ。

「それでもいい」とキミーさんが譲らないでいると、剥製師は「剥製にはできますが、それはあなたの犬ではなくなりますよ」と告げながらも、結局はフィフィを剥製にした。

完成した剥製を見ると、まるで生きているかのように精密に作られているのが分かる。
それでもキミーさん一家にとっては、どこか違和感があるそうだ。

「目はそっくりですが、口元が少し異なって見えます。もう生前のフィフィの姿と比べることはできませんが、フィフィと全く同じであるとは言えません。何かが変だと感じるのですが、それを言葉で説明するのは難しいですね。それでも剥製師はとても良い仕事をしてくれたと思っています。」

フィフィが亡くなった後もその姿を毎日目にしているキミーさんは、「剥製になったフィフィに、私は毎日『おはよう、フィフィ』と声をかけていますよ。部屋の片隅にいて、家具の一部のようになっています。
夫は時々『やあ』と声をかけるくらいです」と話す。


続けて「フィフィが亡くなった時、そして剥製になって家に戻ってきた時、どちらの時もたくさん涙を流しました。剥製のフィフィはいつもそこに座っていますが、もう動くことはないと思うと不思議でたまりません。本当は生きてここにいてほしかったです」と胸のうちを明かしている。

画像は『The Sun 2021年6月29日付「RUFF STUFF Devoted dog owner who could not cope after chihuahua’s death has pet stuffed」(Credit: Kennedy News)』『Manchester Evening News 2021年6月30日付「Devastated dog owner gets precious pet pooch stuffed ‘so she can live forever’」(Image: Kennedy News and Media)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)