今月7日、米ネブラスカ州を暴風雨が襲った。道路が冠水するほどの激しさだったため、マンションに被害がないか確認するためにエレベーターで降りたという男性。
ところが扉が開く前に、首まで浸かってしまうほど大量の水が流れ込んだ。無事に救出された男性は『ABC13』のインタビューに応じ、「まるで映画のようだった」と当時の恐怖を明かした。

今回の暴風雨の影響で、米ネブラスカ州オマハ市の道路は冠水して川のように一変し、多くの車が流されてしまった。地元住民も「15年間でこんな状態は見たことがない」と語るほどの激しさだったという。

そんな中、同市にあるマンション「Old Market Lofts」にいたトニー・ルーさん(Tony Luu)は、浸水などの被害がどの程度なのか確認するため一緒にいた友人2人と共に下へ降りようと部屋の外に出た。

時間は午後10時頃、下の階へと向かうためエレベーターに乗り込む。
しかしここで、大雨の被害はマンションの外だけだと高を括っていたトニーさんたちに恐怖の瞬間が訪れる。ロビーに到着すると扉が開く前に大きな衝撃音がエレベーター内に響き、大きく揺れると足元の通風口から大量の水が流れ込んできたのだ。

エレベーターの扉を開けることができなかったが、トニーさんによると「最初は危機感がなかった」そうだ。しかし水は止まる様子を見せずどんどん流れ込み、あっという間にお腹のあたりまで水位が上がると、自分の危機にようやく気がついたという。

「私と友人で手分けして、警察や知り合いに助けを求める電話を必死にかけました。ビルのメンテナンスを仕事にしているルームメイトにも『降りてきてくれ! 助けに来てくれなければ、死んでしまうかもしれない』と電話をかけました。」

携帯を持っていたので何とか助けを求めることができたものの、その間にも水は流れ込み水位は上昇していた。
トニーさんは「手すりの上に立っていましたが、それでも首のあたりまで水が迫っていました。救助は間に合わないのではないかとも思いました」と当時の恐怖を語る。

トニーさんはエレベーター内部の様子を動画で撮影しており、首元まで水位が上がり、腕を上げていないと携帯が水に浸かってしまう緊迫の状況が捉えられていた。

後ろでは女性が友人に「お願い急いで!」と必死に救助を求める電話をかけている。エレベーターのアラームと思われる音が鳴り響いており、まるでパニック映画のような光景だ。

「このままエレベーターが水でいっぱいになり、溺れてしまうのではないか」と最悪の結果も頭をよぎる状況だったが、幸いにも連絡を受けたルームメイトとその兄弟が駆けつけ、外から扉をこじ開けてトニーさんらを救出することができた。
エレベーターに閉じ込められていた3人に怪我などはなかったという。

エレベーターの外側でも内部と同じくらいに水位が上がっており、泳ぐようにして外へ出たというトニーさんは「映画の中の出来事みたいだった。今までで一番怖い経験だったよ」と明かしている。

この動画を見た人からは「これは怖すぎる。洪水や火事、地震など緊急事態のときには階段を使うべきだよ」「本当に映画の中でしか見ない光景だ」「この経験で、彼らはこれからの人生を大事にするだろうね」「私がこの状況だったら、溺れる前にパニックになって死んでしまうかも」など驚きの声が寄せられている。



画像は『The Sun 2021年8月9日付「‘WE MIGHT DIE’ Omaha flash flooding - Terrifying moment floodwater rises to neck level in elevator as group is trapped inside」(Credit: Instagram / @realtonyluu)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)