話題のアート作品が展示されているのは、ニュージーランドのオークランドにあるアートギャラリー「Michael Lett」だ。今月7日から30日まで開催されているこの展示はシドニーのアートギャラリー「Fine Arts, Sydney」が主催している。
作者はオーストラリアのシドニーを拠点に活動しているアーティストのマシュー・グリフィンさん(Matthew Griffin)で、作品のタイトルは「ピクルス(Pickle)」とシンプルなものだ。一面真っ白な壁や天井に覆われた会場の中で、天井に貼り付いた1枚のピクルスは小さいながらも目を引く。このピクルスはマクドナルドから販売されているチーズバーガーから抜き取ったもので、よく見るとケチャップのようなソースがついたままの状態であることが写真から確認できる。
この作品が公開されるとそのユニークさが注目を集め、ネット上からは様々な意見が寄せられた。
驚くべきことにこの作品は販売されており、価格はなんと1万ニュージーランドドル、日本円にして約83万円という高額な値段設定となっている。購入者にはこの作品の再現方法が伝えられると言い、1万ニュージーランドドルに加え作品に使われるピクルスを調達するためにマクドナルドのチーズバーガー代として4.44ニュージーランドドル(約366円)を支払うことになる。
主催団体の「Fine Arts, Sydney」でディレクターを務めるライアン・ムーアさん(Ryan Moore)は、「これをアートであると無理矢理考える必要はありません。どんなものでもアートになりえますが全てがそうとは限りませんし、それが重要なポイントなのです。アートであろうと人生の一部であろうと、意味や価値というものは私たち人間が作り上げるものなのです。」
「アートはアーティストが作ったり何かを行ったりしたものとして成立します。
ムーアさんと共同ディレクターを務めるアンドリュー・トーマスさん(Andrew Thomas)は「この作品はマシューの作品に初めて出会った人に、凝縮された様々なアイディアを広い視野で考えることを可能にする重要な展示物です。この作品を見た多くの人が笑顔になり、その後には興味深い会話もありましたよ」とギャラリーで実際に作品を目にした人々の反応を明かした。
なお過去にも、どこから見てもただのゴミ袋であるアート作品が700万円以上の値でオークションに出品され大きな注目を集めていた。
画像は『The Guardian 2022年7月26日付「Flung pickle token: artist asks $10,000 for McDonald’s burger ingredient」(Photograph: Courtesy of the Matthew Griffin and Fine Arts, Sydney.)』『Michael Lett 「Hosting Fine Arts, Sydney」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)