映画『さかなのこ』(9月1日より公開中)の公開記念舞台挨拶が3日に都内劇場で実施され、主演ののんをはじめ、共演の井川遥磯村勇斗岡山天音さかなクン、そして沖田修一監督が登壇した。ここでさかなクンが登壇者それぞれをイメージして描いた魚のイラストが急遽贈られた。
さかなクンは以前からのんにはその魚のイメージを持っていたという。

さかなクン初の自伝的エッセイ『さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~』が原作の映画『さかなのこ』。さかなクンはこの映画で、原作者で主人公・ミー坊のモデルというだけでなく、ギョギョおじさん役で映画初出演も果たした。さかなクンによると、沖田修一監督から映画化の話が持ち上がったのがギョ(5)年前になるそうで、ようやく同作が公開したことに「めちゃくちゃ感激しております」「今でも夢のような感じでフワフワしています」と心が舞い踊っているようだ。


さかなクンはいつも通りにハコフグの帽子をかぶり、魚のイラストを描いた白衣を着ていたが、主人公のミー坊を演じたのんは「今日はお魚を意識した衣装を着てきました」とかなりユニークなスタイルで登場。ミー坊の高校にいる不良集団の総長役の磯村勇斗も「海のコケをイメージしてきました」と緑色のスーツに身を包み、その不良集団に敵対する籾山役の岡山天音もさまざまな魚がプリントされたシャツを着て、それぞれこだわりを見せた。



舞台挨拶ではさかなクンから自身をモデルにしたミー坊役ののんにサプライズプレゼントが。まるで料理のようにワゴンで運ばれてきた贈り物に被されていた銀色の蓋をのんがパカッと開けると、そこにはさかなクンのトレードマークのハコフグ帽が現れた。この日さかなクンが被っていたハコフグ帽は角張った“角帽バージョン”だが、のんのは丸いタイプとのこと。「嬉しい」と喜んでその場で被ってみたのんは「ギョギョギョ!」と満面の笑みだ。


しかしプレゼントはこれだけでなく、さかなクンから登壇者全員へサプライズでイラストが贈られることに。さかなクンがそれぞれにイメージした魚を舞台挨拶前に描いたもので、のんには「一等鯛(イットウダイ)」が渡された。
「さかなクンが私を魚にたとえたら『イットウダイちゃんですね』って言ってくださっていたんですね。撮影のときにもイットウダイちゃんが登場していたので、『この子か…』と思いながら。嬉しいです。ありがとうございます」とコメントすると、「目がキラッキラッしてるんですよね」とさかなクン。さかなクンのイラストのイットウダイも目が大きくてキラキラしているが、そこがのんに似ているらしい。またイットウダイはリスフィッシュとも呼ばれ、さかなクンは「リスみたいな可愛らしい顔をしているんですね」と言い、そこも共通点だという。



そしてミー坊を温かく見守る母・ミチコを演じる井川遥は、海の中で他の魚を治す力を持つ「マンボウ」で、井川は「水族館で一番好き」と喜び、磯村にはギョじゅっキロ(50kg)という巨大な身体を持つ“磯の王者”の「クエ」が選ばれ、大きいお魚を誘導するという「ブリモドキ」が岡山に選ばれると、磯村が「ついていきます」と声をかけて笑わせた。沖田監督は見た目が似ているという理由で「ショウキハゼ」と、それぞれ異なる魚のイラストがさかなクンから贈呈された。


のんは自身が演じたミー坊について「“好き”を追い求めて“好きだから”っていう理由が原動力なのにシンパシーを感じて。私も“好き”、“やりたい”という力をもとに頑張っているので、私は一方的に同志という気持ちです」と述べた。のんは女優の他に“創作あーちすと”としてアート作品を制作したり、ギターを弾いたり歌を歌ったり音楽活動もしているが、魚が好きで一直線に進んでいくミー坊に自身を重ねたようだ。のんは「この映画は観た人全員が多幸感を得る幸せな映画だと思います。
みんなが(それぞれの)“好き”を持っていると思うので、ミー坊を見て自分の“好き”を大事にしてください。ギョギョギョ!」と目をキラキラさせながら舞台挨拶を結んだ。



(TechinsightJapan編集部 関原りあん)