カニエ・ウェスト(45)が、米カリフォルニア州にある「スケッチャーズ」本社にアポなし訪問したものの、すぐさま建物を追い出された。カニエは今月初めに反ユダヤ主義的な投稿をしたことから、契約していた企業から続々と絶縁を告げられている。
カニエが訪れた「スケッチャーズ」は創業以来、ユダヤ人一族が所有・運営する会社だ。

カニエ・ウェストは今月9日、自身のTwitterで反ユダヤ主義的な発言をしたことで大炎上し、運営側により投稿が削除された。カニエは後日謝罪ツイートを投稿したものの、彼の差別発言を深刻に受け止めた提携企業が次々に契約を打ち切り始めたのである。

24日には大手タレントエージェンシー「CAA」がカニエとの契約終了を発表し、レコード会社「Def Jam Recordings(デフ・ジャム・レコーディングス)」が関係を断ったと報じられた。この他にも、カニエが主宰する「Donda Sports」が代理人を務める2人のアスリートや、カニエとコラボしたブランド「バレンシアガ」「Gap」「アディダス」などが、契約を打ち切ったと公表した

さらにロンドンの「マダム・タッソー館」は、カニエ・ウェストの蝋人形の一般公開を中止し、保管室へと移動したと伝えた。


窮地に立たされたカニエは現地時間26日、米カリフォルニア州マンハッタンビーチにあるスニーカーブランド「スケッチャーズ」の本社オフィスをアポなし訪問した。

米メディア『TMZ』によると、カニエは同日朝に同社を訪れ、幹部とビジネスの可能性について話し合いの場を設けることを望んだという。しかしカニエはすぐさま建物から追い出されてしまった。

同日「スケッチャーズ」は公式ウェブサイトで声明文を発表し、「Ye(カニエの本名)が、ロサンゼルスにある『スケッチャーズ』のオフィスに、予告も招待も無しに到着しました」と伝えた。

同社によると、カニエは建物に到着時に無許可で撮影を行っていたという。そのことを考慮した同社の幹部2人が短い会話をして、カニエと一行を建物の外にエスコートして追い出したそうだ。


声明文では「スケッチャーズは、ウェストと一緒に仕事をすることを考えておらず、その予定もありません。我々は彼の最近の分裂的な発言を非難し、反ユダヤ主義やその他のいかなる形のヘイトスピーチも容認しません」と述べた。

そして「ウェストは、同社のオフィスに何の連絡もなく、招かれもしないのに現れたことを改めてお伝えします」と締めくくった。

「スケッチャーズ」は1992年、「LAギア」の創立者の1人だったロバート・グリーンバーグ氏が立ち上げたスニーカーブランドだ。創業以来ユダヤ人一族によって所有・運営され、現在は息子のマイケル・グリーンバーグ氏が社長に就任している。

同ブランドはこれまでに、カニエの元妻キム・カーダシアンのほか、ブリトニー・スピアーズクリスティーナ・アギレラカミラ・カベロなどのセレブ達とコラボしている。

(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)