USオープン6日目を迎えた9月4日、男子シングルス3回戦が行われ、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/同1位)が、錦織圭(日清食品/同56位)を6(4)-7、6-3、6-3、6-2で下し、年間グランドスラム、そしてロジャー・フェデラー(スイス/同9位)、ラファエル・ナダル(スペイン/同5位)を抜く、男子では史上最多となるグランドスラム21勝へ、また一歩近づいた。
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東京オリンピック準決勝で敗れ、悲願の金メダルを逃したジョコビッチは、その後、前哨戦を戦わず、体を休めて万全の状態でUSオープンに。
3回戦の相手は、16連勝中の錦織。7年もの間、黒星をつけられていない相手に、ジョコビッチは「僕がこれまで見てきた中で、彼(錦織)は最も速く、最も才能のある選手の一人。しっかりとサーブを打って、少しでもペースを乱すことが重要だ」と警戒した。しかし、この日の試合で錦織はジョコビッチの予想と反するプレーを見せる。無理にサイドを攻めず、コートの真ん中でラリーを展開し、長いストローク戦へ持ち込む。これにジョコビッチは、ミスを連発。第1セットだけで20本ものアンフォーストエラーを重ね、タイブレークの末にセットを失った。
だが、王者の強さはここからだった。第2セット以降は、ピンチを迎えても精度の高いファーストサーブ、そして第1セットからテンポを上げた鋭いストロークを放ち、随所に王者らしいプレーを見せる。結局、錦織にリードを許すことなく各セット2度ずつサービスブレークに成功し、3セットを連取して4年連続ベスト16入りを果たした。
試合後、ジョコビッチは「タフな戦いだった。
それでも、「彼のペースに対応できてからは、感覚が良くなった。試合の主導権を握り始めたと感じたよ。必要な時に良いサーブも打てたし、リードした時にはプッシュし続けてプレッシャーをかけ続けることができた。お互いに質の高いテニスができたと思う。今日は素晴らしいプレーをした選手に勝ち、コートをあとにすることができて満足だ」と語った。
これで年間グランドスラム、男子では史上最多となるグランドスラム21勝にまた一歩近づいたジョコビッチ。このまま偉業を達成するのか、それとも王者の行く手を阻む者が出てくるのか注目だ。
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