4月20日、スポーツビジネスを扱う「スポルティコ」と「ニューヨークタイムズ」は、ウィンブルドンのトップに近い人物が、匿名を条件に”今年の大会でロシア人、ベラルーシ人選手を出場させないことが決まった”と明かしたと報じた。
【表】ウィンブルドンに出場できない可能性がある選手たち(TOP150)
“特別軍事作戦”と称して、2月24日にロシアがウクライナへの侵攻を開始。
その2週間後の3月15日には、イギリスのスポーツ大臣を務めるナイジェル・ハドルストン氏が、「ロシアの旗を掲げることを許可されるべきではない。彼ら(アスリート)がプーチン支持者ではないという保証が必要で、どうすべきか検討している」と、ウィンブルドン主催者とともに、ロシアのウラジミール・プーチン大統領を支持していないことの証明を求めることを検討中だと表明。さらに4月17日、イギリス「ローンテニス協会(LTA)」CEOを務めるスコット・ロイド氏が、その件について、ボリス・ジョンソン英首相と政府でいまだ協議中であると語っていた。
こういった動きに対して、ロシア出身のダニール・メドベデフ(世界ランク2位)は、ATPマスターズ1000「マイアミ・オープン」出場時に、「僕は大会ごとに受け止めるよ。プレーするかしないかは常に異なるルールがある。テニスは僕が愛するスポーツで、このスポーツを世界中に広めたい。厳しい瞬間もあれば、良い瞬間もある。正直なところそれがすべてで、どの大会でも同じ。ウィンブルドンについては何も言うことはないよ」と決められたルールで大会に出場すると語っている。
また、WTAのスティーブ・サイモン会長はイギリス「BBC」の取材に対して、両国の選手たちはツアーで競技を続けられるようにすべきだと「とても強く感じている」とコメントしている。
これまでサッカーや水泳、バレーボールなど多くの競技でロシアやベラルーシを除外していたが、実際に発表となったら、両国の選手締め出しはテニス界では初の措置となる。