ジル・シモン(フランス/世界ランク158位)、最後の全仏オープンが終了した。現地5月26日、「全仏オープン」男子シングルス3回戦、今シーズン限りでの引退を表明している元世界ランク6位のシモンは、第20シードのマリン・チリッチ(クロアチア/同23位)と対戦し、0-6、3-6、2-6で敗れた。
【動画】地元の英雄に“ジルコール”を送る観客たちとそれに応えるシモン
2回戦、スティーブ・ジョンソン(アメリカ/同92位)を7-5、6-1、7-6(6)で下し、同大会4年ぶりの3回戦進出したシモン。現役選手では11人目となるツアー通算500勝を達成した。会見では、「試合が終わるのがかなり遅い時間になったので、回復のための時間が少なくなるね。それでも3試合目をプレーするチャンスがあるのは興奮する。最後のローランギャロス。思い切り楽しみたい」と語っていた。シングルス2試合で合計6時間28分をプレー。さらに男子ダブルス1試合も入れると7時間31分(チリッチは合計4時間23分)と、蓄積した疲労は相当のものだったはず。第1セットでは動きが悪かった体は、母国の声援を受けてエネルギーを取り戻す。最後の1球まで、できる限りのプレーをしてみせた。
第1セットは一方的な展開に。チリッチは立ち上がりから、オープンコートにきっちり打ち分けて、走らせようとするが、シモンはなかなかそれについていけない。
さらに第7ゲームでもブレークしたシモン。続くサービスゲームでも、チリッチの強打に対して、ていねいにコート奥深く、ダウン・ザ・ライン、クロスと良いコースに配球。ミスを引き出して初キープに成功する。しかし、このセットの反撃はここまでとなる。
あとがなくなった第3セット、第1ゲームのサービスゲームでは、10ポイントの末にキープに成功。しかし、第3ゲーム、15-40とピンチを迎えると2本凌いだものの、ブレークされてしまう。
このチェンジオーバーでシモンはメディカル・タイムアウトを取って、右モモのマッサージを受ける。
第7ゲーム、ラブゲームでブレークを許すと、続くリターンゲーム、何とか1ポイントを奪ったが、最後はサービスエースを決められて試合終了。チリッチとあいさつを終えてベンチに座ったシモンに向けて、ジルコールがこだますると、立ち上がり、観客たちに手を挙げて感謝を告げた。
2002年にプロ転向を果たしたシモンは、2006年1月に初めてトップ100入り。2009年にキャリアハイとなる世界ランク6位になると、2007年マルセイユ大会でツアー初優勝。以来、14度タイトルを獲得するなどフランスのトッププレーヤーとして活躍した。また、2017年のデビスカップでは、同じく今大会限りで引退するジョー・ウィルフリード・ツォンガ(同297位)やリシャール・ガスケ(同70位)とともにフランスの優勝に貢献している。
■全仏オープン2022
日程/2022年5月22日(日)~6月5日(日)
開催地/フランス・パリ:ローランギャロス
賞金総額/4,360万ユーロ(約59億円)
男女シングルス優勝賞金/220万ユーロ(約3億円)
サーフェス/クレーコート
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