日本の大動脈を担う東海道新幹線(写真提供:JR東海)

JR東海は28日、2024年度重点施策と関連設備投資について発表した。

2024年度の設備投資額は連結6,740億円、単体6,300億円。

リニア中央新幹線への投資額は3,500億円で、これを除いた設備投資額(単体)2,800億円のうち、安全関連投資が2,080億円を占める。

開業60周年を迎える東海道新幹線関係では、2024年度に「N700S」を7編成投入する。また既存の「N700A」に「N700S」の一部機能を追加する改造工事を進めていく。

在来線では通勤型電車の「315系」を64両投入。特急「しなの」用の新型特急車両「385系」については、量産先行車の新製に向けた詳細設計を進めていく段階だ。

新幹線「N700S」は7編成、在来線「315系」は64両投入 新型特急「385系」の開発どこまで進んだ? JR東海の2024年度設備投資計画
特急「しなの」に使用している383系の置き換えを目的として開発される新型車両「385系」量産先行車イメージ(画像提供:JR東海)

リニア中央新幹線については、営業車両への投入を前提とした高温超電導磁石のコストダウンと安定運用に向けた検証といった取り組みのほか、ICT等最新技術の活用や営業車両の仕様策定も進め、沿線地域とのコミュニケーションを大切にしながら早期開業に向けた各種工事を行うという。

そのほかにも東海道新幹線の自動運転システム導入へ向けた開発や、新幹線・在来線のホームドア整備、ワンマン運転導入へ向けた接近検知画像認識技術の活用検討、2025年のTOICAエリア拡大に向けた準備などを行う。海外では台湾へのN700Sベースの新型車両導入に伴う技術支援を進め、米国における高速鉄道プロジェクトについても着実に取り組む。

営業面では「推し旅」キャンペーンや「貸切車両パッケージ」等による利用の拡大やインバウンドへの営業強化、魅力ある観光素材の開発、ビジネス環境整備、新幹線「こだま」を利用した荷物輸送、「さわやかウォーキング」等を通じた地域連携の強化等、収益の拡大に取り組む。