台湾高速鉄道の新型「N700ST」はどんな車両?の画像はこちら >>

台湾高速鉄道の次世代車両の形式名が「N700ST」に決定しました。日本の新幹線「N700S」をベースに開発され、2027年から営業運転を始める予定です。

どのような車両になるのか、詳しく見ていきましょう。

ベースはJR東海「N700S」

いわゆる「台湾新幹線」は、日本の新幹線技術を導入して2007年に開業。首都・台北から南部・高雄までの約350キロを最速約1時間半で結んでいます。年間利用者は7000万人を超え、台湾の大動脈として多くの人々に利用されています。

台湾高速鉄道は2023年3月に新型車両の導入を発表。その後、日立製作所や東芝、東芝インフラシステムズなどで構成される「Hitachi Toshiba Supreme Consortium(HTSC)」が、新型車両12編成(144両)を約1240億円で受注したことを明かしていました。

「N700ST」はJR東海の「N700S」をベースに開発され、現行の「700T」より軽量で空力性能に優れています。炭化ケイ素デバイスと風冷システムを組み合わせた駆動装置で、省エネと小型化を実現。停電時でも低速で自走できるリチウムイオンバッテリーを備え、信頼性を高めています。

車内にはフルカラーの情報表示や到着案内の照明、充電設備付き座席を導入。防音・防振性能も高め、授乳室には洗面台やベビーシートを設置。車いす対応席は現行の4席から6席に増やすなど、バリアフリー設備の強化も図ります。

外観デザインは白を基調にオレンジと黒のラインを施し、700Tのイメージを継承。時速300キロ走行時でも美しさとスピード感を表現できるよう工夫したといいます。

台湾高速鉄道の新型「N700ST」はどんな車両?
初代継承のデザイン

第1編成は2026年8月に台湾へ到着し、試験を経て2027年後半から営業運転を開始。順次導入される見通しで、全12編成が揃えばピーク時の輸送力が約25%向上するとされています。

台湾高速鉄道の利用者は、開業当初の年間約1500万人から2023年には7300万人へと拡大し、累計乗客数は8億人を突破しました。増加する需要に応えるため、車両の増備とあわせて、三菱重工業が車両検修設備の拡張を進めています。

(画像:台湾高速鉄道)

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