九州最大級の再開発「博多駅空中都市プロジェクト」が中止に! ...の画像はこちら >>

JR九州が2019年3月から構想を進めていた「博多駅空中都市プロジェクト」の中止を発表しました。このプロジェクトは、九州最大の鉄道ターミナルである博多駅の線路上空の空間(竹下寄り)を活用し、オフィス、ホテル、商業施設から成る複合ビルを新築する計画でした。


中止の最大の理由は、線路上という特殊な立地による高い施工難易度と、昨今の工事費高騰の影響を大きく受け、当初の計画では事業の成立が困難となったためです。地域を国際ビジネス・観光都市へと発展させることを目指した壮大な計画は、惜しくも実現に至りませんでした。JR九州は、地域の皆さまとともに博多駅周辺地区の魅力向上に取り組むとしています。

幻となった「国際ビジネス・観光都市」への布石

2025年9月26日にJR九州が中止を発表したのは、博多駅の線路上空を活用する「博多駅空中都市プロジェクト」です。この計画は、2019年3月に「博多駅空中都市構想」として立ち上げられたもので、博多駅に先端都市施設を整備することで、博多を国際的なビジネス都市・観光都市へと発展させる狙いがありました。

2022年3月には「博多駅空中都市プロジェクト」として具体化し、オフィスとホテル、商業から成る複合ビルを新築する計画として進められていました。
ポストコロナを見据え、国際ビジネス都市・国際観光都市に相応しい機能を備え、博多口と筑紫口の回遊性を高め、にぎわいのある街並みを創出することも目指していました。

【参考】「博多駅空中都市プロジェクト」を始動 https://tetsudo-ch.com/12270303.html

九州最大級の再開発「博多駅空中都市プロジェクト」が中止に! 線路上空での複合施設建設構想を 難工事と工事費高騰が直撃!
KITTE博多側から竹下駅側を望む 低層部イメージ (JR九州 2022年3月)

線路上に複合ビルを建てる難しさから中止を決定

しかし、計画地が博多駅の線路上という特殊な位置にあるため、施工の難易度が非常に高かったといいます。さらに、昨今の工事費高騰の大きな影響を受け、整備コストが当初の計画より大幅に上昇することが判明しました。この結果、当初の計画では事業計画が成り立たない状況となり、建物規模や用途などの見直しを含めてあらゆる可能性を模索したものの「実行可能な事業計画を策定することが困難である」との結論に至り、計画中止が決定されました。

今後の見通しと地域の魅力向上への取り組み

JR九州は、このプロジェクト中止が連結業績に与える影響について調査中であり、今後開示すべき事項が生じた場合には速やかに知らせるとしています。

また、計画中止という結論に至ったものの、多大な理解や協力をしてくれた関係者には深く感謝を表明しています。そして、今後も地域の皆さまとともに、更なる発展が期待される博多駅周辺地区をはじめとした福岡市及び九州全域の魅力向上に取り組んでいくとしています。

JR九州が博多駅の線路上空という特殊な立地で計画を進めてきた「空中都市プロジェクト」は、建設コストの高騰と施工の難しさから、惜しくも実現には至りませんでした。

今後の博多駅周辺の開発計画に注目が集まります。

(画像:JR九州)

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