タイ国家放送通信委員会(NBTC)は26日、カンボジア国境地帯のコールセンターギャングやオンライン犯罪への対策強化のため、タイの全通信事業者に対し、カンボジアへのブロードバンド・モバイルインターネット接続の提供を停止するよう指示した。

タイラットなどの報道によると、26日の会議で決定した。

NBTCのトライラット副事務総長は、カンボジアのカジノの町であるポイペトと国境を接する、東部サケーオ県アランヤプラテート郡の国境地帯が影響を受けると話した。国境地帯では15日以内に、全データ通信と音声通信が遮断される。国境と離れた地域でも、サービスが縮小・制限される。

NBTCは、国境地帯に住むタイ人が携帯電話の利用を続けられるよう、対策を検討中。通人事業者はモバイルSIMカードの導入を予定している。

トライラット副事務総長は、カンボジアが先にタイからのインターネット接続を遮断したが、タイの民間事業者14社は通常通り、カンボジア向けにもサービスを提供していたと話した。

今後もカンボジア向けにサービスを提供する事業者は、目的や事業内容を明示する必要がある。使用する周波数帯を当局に報告し、詐欺に悪用されるリスクの評価も求めた。 

カンボジアに支店を持つタイの民間企業には、ネット遮断の影響を防ぐため、別の伝送システムを導入する予定。カンボジアで使用する全てのSIMカードについて、利用者は身分証明と使用目的の提示が必要。事業者には15日ごとに、SIMカードの販売状況を報告するよう義務付ける。

タイ警察のタッチャイ長官は、「詐欺の取り締まりに関し、これまでカンボジアからほとんど協力を得られなかった。

国境紛争が発生して以来、カンボジア警察とは連絡を取っていない」と明かし、今後の協力は両国の国境状況次第だとした。

タイはまた、詐欺拠点とみられるポイペトの高層ビル2棟の所有者に対する訴追も準備しているという。

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