タイ工業連盟(FTI)の発表によると、2025年6月の産業景況感指数(TISI、100以上で好感)は前月から0.4ポイント減の87.7で、4カ月連続で低下した。3カ月後予測でも引き続き低迷する見込みで、政府は貿易政策の是正を迫られている。
プラチャーチャート・トゥラキットの報道によると、FTIのナーワー副会長は、タイ・カンボジア国境検問所の閉鎖によるエネルギー輸出の停止や、米国が鉄鋼・アルミニウム製品に対する関税を25%から50%に引き上げたことが、タイ企業の競争力に影響を与えたと話した。イラン・イスラエル紛争によるエネルギー価格の変動や、輸出と観光客の減少も影響した。
さらに、安価な外国製品が国内に流入し、国内企業を圧迫。農産物価格は大幅に下落し、農家の収入に影響した。内政の混乱と不確実性が、投資家と民間企業の信頼感を損ねている。
3カ月後の予測指数は、前月の91.7から90.8に減少。タイ・カンボジア国境の長期間に渡る検問所閉鎖で、国境貿易に被害が出る見込み。7月1日からバンコクと地方の一部地域で最低賃金を400バーツに引き上げたため、中小企業の雇用コストにも影響が出ている。
経営者の不安要素は、融資借り入れ51.7%、為替相場(輸出業者の視点から)39.9%、エネルギー価格31.3%、貸出金利24.7%。一方、不安が減少した項目は、国内経済61%、世界経済57.7%、政府の政策47.5%だった。