東芝(神奈川県川崎市)と島根大学発のバッテリーテック・スタートアップのナチュラニクス(東京都墨田区)は21日、タイ・バンコクで電動バイクタクシーの実証実験を2025年12月から2026年3月まで実施すると発表した。今年3月まで実施していた実証実験の結果を踏まえ、これまで無償提供していたサービスを有償化し、台数や地域を拡大する。
東芝によると、両社は2024年9月から2025年3月、バンコクで電動バイクタクシーのドライバー向けに、バッテリーパックを充電ステーションで自由に交換できるサブスクリプション型のサービスを想定した実証実験を実施し、無償でサービスを提供していた。
2025年12月から開始する実証実験では、前回行った実証実験から規模を拡大し、バンコク市内と周辺地域で、最大100台の電動バイクタクシーに対応できるよう、バッテリーパックを増産する。充電ステーションも1カ所から5カ所に拡大する。
ユーザーからの価格に対する反応を含めた意見を再確認や、バッテリーパック量産に向けての技術的な課題の洗い出しと対策の検討、充電ステーションでの急速充電技術の性能評価、バッテリーパックの劣化状況分析とその対策検討など、サービスの完成度を高めることが目標。両社は実証実験に向け、バッテリーパック製造などの準備を開始した。
2024年から開始した実証実験では、東芝がリチウムイオン電池「SCiB(TM)」を供給。「SCiB(TM)」をベースにナチュラニクスが開発・製造したバッテリーパックや充電器、バイクを使用した。
バッテリーパックに搭載したセンサーで電動バイクタクシー走行時の温度変化などを測定し、走行パターンや使用環境に関するデータを収集。ユーザーであるドライバーへのアンケートも実施した。