今夏にチェルシーからミランへ移籍したジルー photo/Getty Images
最後のプレシーズンマッチでは2ゴールの活躍
昨季は冬の王者に輝くも、過密日程による疲労の影響からか、後半戦に入って徐々に失速。ACミランは2020-21シーズンを2位で終えた。
そのため、守護神ジャンルイジ・ドンナルンマや10番ハカン・チャルハノールがチームを去ったものの、新シーズンのさらなる飛躍に大きな期待を寄せるファンも少なくないだろう。そんな中で、やはり今夏にチェルシーから加入したフランス代表FWオリヴィエ・ジルーにかかる期待は特に大きいか。
昨年1月にミランへ復帰して以降、ピッチ内外で大きな存在となっており、名門の再建に尽力しているFWズラタン・イブラヒモビッチ。昨季もリーグ戦19試合の出場ながら15ゴール2アシストと、素晴らしい結果を残していた。ピッチ内での迫力や存在感も抜群で、プレイ面に関して言えばまだまだ衰え知らずだ。
しかし、身体は正直。まもなく40歳の誕生日(10月3日生まれ)を迎えることもあって、さすがの“神”も寄る年波の影響を少なからず受けており、昨季はたび重なる怪我に悩まされた。やはりこの年齢にまでなると、シーズン通してフルで活躍するのは少々厳しいところがある。実際、イブラヒモビッチは6月に受けた手術の回復が思いのほか遅れているようで、今季の開幕戦には間に合わないという。
そこで重要となってくるのがジルーの存在だ。
また、フランス代表が優勝したロシアW杯で、無得点にもかかわらず全試合にスタメン出場したことからもわかるように、ジルーは自らゴールが奪えなくとも、チームが円滑に攻撃を進めていく上での起点になることができる。ミランでは、FWラファエル・レオンやMFブラヒム・ディアスといった2列目でプレイする期待の若手たちの引き立て役にもなれるのではないか。
イブラヒモビッチだけでなく、チームの心臓で、この夏にオーバーエイジとして東京オリンピックにも参加していたMFフランク・ケシエも、筋肉系のトラブルで開幕戦を欠場することが濃厚。ミランはシーズンのスタートからいきなり正念場を迎えそうだが、新戦力のジルーはチームを勝利へ導くことができるのか。ミランは23日に日本代表DF吉田麻也が所属するサンプドリアとアウェイで対戦予定となっている。