ルカクとヴェルナーが織りなすコンビネーションには注目だ photo/Getty Images
“ルカク&ヴェルナー”に見える可能性
2021-22シーズン、ベルギー代表FWロメル・ルカクの加入によって攻撃陣に欲しかったラストピースが埋まった印象の強いチェルシー。最前線で起点となる大型ストライカーが加わったことにより、ブルーズの攻撃は昨季と比べてワンランク上のレベルに到達したと言っていいだろう。
しかし、そのレベルアップした攻撃陣にもまだまだ伸びしろはあるか。ルカクの加入によって出場機会が減少しているFWを今の前線にうまく組み込むことができれば、チェルシーの破壊力はさらに増すかもしれない。そのFWとはティモ・ヴェルナーだ。
今季はルカクに押し出される形で前線における定位置を失うこととなってしまったヴェルナーだが、今の彼の良さは得点力とは別の部分にあると言っていい。相手ディフェンスラインの裏に抜ける動きの質の高さは今なお健在で、冷静に状況を見極めながら出すラストパスも絶品。それでいて前線からも守備も積極的に行うとあって、フィニッシュの精度以外はほぼ完璧に近い能力を備えているのだ。どうしてもその立ち位置から“ルカクのライバル”として見られがちな同選手だが、実は“ルカクのパートナー”として最もフィットしそうなのはこの男か。
そして、ヴェルナーがルカクと組めば、次第に得点感覚を取り戻すことができそうなのも面白い。チームのエースとして君臨しているルカクだが、彼は状況に応じて周りを活かすプレイにも定評がある。決してエゴイスティックなストライカーではないだのだ。実際、現地時間19日に行われたプレミア第5節のトッテナム戦では、自分でシュートを打てそうな場面でもヴェルナーにラストパスを送るシーンが。決してエゴは出さず、味方にもシュートチャンスを提供してくれるルカクとのコンビ結成は間違いなくヴェルナーにとってプラスとなるだろう。
「トッテナム戦でのティモは、彼がロメルと同時に起用されることでどれほど危険な存在になるかを見せてくれた。これまでのパフォーマンスに彼自身は納得していなかっただろうけど、私はトッテナム戦で新たな彼の一面を見たと思ったよ。トレーニングではリラックスしているようだし、自信も出てきた。間違いなく、今の彼には良い兆候があるね。彼は賢いし、ピッチ上で自由にさまざまなタスクを行ってくれる。ロメルの周囲でその能力はさらに活きると思うよ。楽しみにしていてほしい」(英『Daily Mail』より)
そしてどうやら、ルカクとヴェルナーのコンビにはトーマス・トゥヘル監督も大きな期待を寄せている様子。はたして、今季のチェルシーで新たな前線のホットラインは開通するのだろうか。ルカク&ヴェルナーのコンビがプレミアを席巻する日は、そう遠くないのかもしれない。