今季ここまでセリエAで好調のナポリ photo/Getty Images
前線から最終ラインまで抜け目なし
はたして、2021-22シーズンにイタリア・セリエAで優勝するのはどのクラブか。王者インテルからFWロメル・ルカクやDFアクラフ・ハキミといった主力が去り、長く王座に君臨していたユヴェントスもなかなか調子は上がってこない。
しかし、そんなカオスな状況で頭ひとつ抜け出した感があるのがナポリだ。今季からルチアーノ・スパレッティ監督が指揮を執る同クラブは、ここまでセリエA6試合を戦っていまだに全勝をキープしている。まだ対戦した強豪はユヴェントスだけだが、序盤戦で良い流れを作ることができたのは間違いない。少し気は早いかもしれないが、現時点で優勝への期待は高まっていると言っていいだろう。
そしてなにより、今季のナポリは勢いだけではない。そのスカッドも非常に充実しており、前線から最終ラインまで隙がない。FW陣ではCFを務めるビクター・オシムヘンが独力で局面を打開できるストライカーへと進化しつつあり、その両脇を固めるロレンツォ・インシーニェとマッテオ・ポリターノも好調をキープ。中盤はファビアン・ルイスやピオトル・ジエリンスキといった実力者に加えて、夏に獲得したアンドレ・フランク・ザンボ・アンギサが攻守に躍動中。開幕前に負傷したディエゴ・デンメも復帰を果たしており、その人材の豊富さはセリエA随一と言えよう。
最後に守備陣だが、ここには言わずと知れた名手カリドゥ・クリバリが鎮座している。その相方も今季はアミル・ラフマニが好パフォーマンスを継続中だ。
「僕は何年もここにいる。その間には、いくつものナポリを経験してきたよ。だけど、今季のチームはそのなかでも最も強力なもののひとつだと思う。今の僕たちは全員が自分の持てる力を100%発揮できている。そのクオリティの高さを意識して、これからもやっていきたいね」(伊『Gazzetta dello Sport』より)
充実したスカッドを擁して2021-22シーズンのスクデット獲得を目指すナポリ。はたして、南イタリアの名門クラブは今季こそ1989-90シーズン以来のセリエA制覇を成し遂げることができるのか。スタートは完璧だっただけに、この調子で突っ走りたいところだ。