トッテナムで活躍を続けるソン・フンミン photo/Getty Images
一時代を築いた名手たち
21世紀最高のアジア人選手を選ぶなら、誰になるだろうか。これは意見が分かれるだろう。
欧州5大リーグでのタイトル獲得歴を軸に考えるなら、マンチェスター・ユナイテッドでプレミアリーグを制している元韓国代表MFパク・チソン、ブンデスリーガとプレミアの両方を制している日本代表MF香川真司、ローマでセリエAを制した元日本代表MF中田英寿が候補に挙げられる。
いずれも一時代を築いたプレイヤーで、中田はアジア人選手のイメージを大きく変えてくれた。中田の活躍から日本とアジア全体のフットボールが急加速したのは間違いない。全体を成長させたという意味では21世紀No.1の功労者と言ってもいいか。
中田より4つ年下のパク・チソンの場合はマンUでチャンピオンズリーグまで制している。これは日本人選手が経験していないことで、クリスティアーノ・ロナウドやウェイン・ルーニーがいたマンUで便利屋ながら主力の一部になっていたのは見事と言うしかない。

ドルトムントで一時代築いた香川 photo/Getty Images
21世紀に入ってからアジアサッカー界は進歩
香川は技術力がずば抜けていた。ドルトムントでブンデスリーガ連覇を成し遂げた時の香川は欧州でもトップ5に入る攻撃的MFと言っても大袈裟ではない状態にあり、中田やパク・チソンとは異なる衝撃があった。狭いスペースを突破していくテクニックではアジア史上No.1かもしれない。
タイトルとは縁がないが、得点数で見るならトッテナム所属の韓国代表FWソン・フンミンが1番だ。ソン・フンミンはブンデスリーガとプレミアを合わせると得点数が100を超えており、欧州5大リーグで100点以上奪うアジア人選手はそうそう現れないだろう。ソン・フンミンも得点力の面ではアジア人選手のイメージを変えた存在だ。
代表での活躍では本田圭佑も負けていないか。ワールドカップ3大会連続得点を達成した選手は少なく、独特の勝負強さがあった。アジア人選手の中ではワールドカップで1番活躍したプレイヤーと言ってもいいか。香川、中田、ソン・フンミンもワールドカップでは本田に匹敵するインパクトを残せていない。
オーストラリアからはリヴァプール時代にチャンピオンズリーグを制しているMFハリー・キューウェル、エヴァートンで活躍したFWティム・ケイヒルも挙げられそうだが、どちらも少々インパクトは弱い。キューウェルも数字の面ではあまり貢献できていなかった。
開拓者としては中田、技術では香川、タイトルではパク・チソン、得点力ではソン・フンミン、ワールドカップでの活躍では本田が上回っていると言えるが、果たして21世紀のアジア最高プレイヤーは誰か。