セルビアを勝利へ導いたミトロビッチ photo/Getty Images
欧州予選でヒーローに
14日にワールドカップ・カタール大会欧州予選でポルトガル代表と対戦したセルビア代表は、終盤の劇的な逆転ゴールで2-1と勝利。見事にワールドカップ出場を確定させた。
そのゴールを決めたのは、イングランド2部のフラムでプレイする大型FWアレクサンダル・ミトロビッチだった。
ミトロビッチがフラムでゴールを量産しているのは有名だが、代表でも勢いは止まらない。セルビアでは絶対的なスタメンというわけではないのだが、欧州予選では532分間の出場で8ゴールも記録している。
これはイングランド代表FWハリー・ケイン、オランダ代表FWメンフィス・デパイ(12ゴール)に次いで、欧州予選では3番目に多い数字だ。しかもミトロビッチは2人より出場時間が短くなっている。それで8ゴールは見事だ。
ミトロビッチは一躍ヒーローとなったわけだが、本人にも特別な感覚があるだろう。セルビアとミトロビッチには苦い記憶があるからだ。
それはEURO2020のプレーオフ・スコットランド戦だ。
勝てばEURO2020出場決定という重要なゲームで、試合はPK戦までもつれ込む激戦に。そこで5番目のキッカーを担当し、外してしまったのがミトロビッチだった。対するスコットランドは5人全員が成功し、見事にEURO出場権を獲得。
あの悔しさをミトロビッチは忘れていなかったはずだ。今度は自身のゴールでチームをワールドカップ出場へ導くことになり、英雄となった。
フィオレンティーナFWドゥシャン・ヴラホビッチ、レアル・マドリードFWルカ・ヨビッチなど、セルビアの前線には楽しみな選手が揃う。ミトロビッチもその1人であり、カタールの地で暴れる準備は整いつつある。