先日行われたフィオレンティーナ戦でも貴重な決勝ゴールを挙げたピナモンティ photo/Getty Images
武者修行先で成長見せるストライカー
いよいよ覚醒のときは近づいてきた。昨季まではどこか殻を破りきれないイメージも強かったインテルの有望株FWだが、2021-22シーズンついに彼は一人前のアタッカーへと進化を果たすのだろうか。
今季はここまでレンタル先となったエンポリで、リーグ戦13試合に出場しているピナモンティ。移籍直後のリーグ戦3試合こそベンチスタートとなったものの、以降は最前線の定位置をガッチリと確保。得点数も5ゴールを記録しており、キッチリと結果を残している印象だ。昨季はインテルでロメル・ルカクやラウタロ・マルティネスの牙城を崩すことができなかった同選手だが、新天地での歩みは上々と言っていいだろう。
そして、そのプレイ内容も実にポジティブ。エンポリでは2トップを組むFWパトリック・クトローネとともに、サイドへ流れてからのチャンスメイクに磨きがかかっている。それでいて、ストライカー本来の役割であるフィニッシュの精度も増しており、セリエA第9節のサレルニターナ戦では2ゴールの活躍も披露した。中央に構えてワンタッチゴールを狙うこともできれば、自身が積極的に動いて味方のパスも引き出せる。今のピナモンティはこうしたマルチな役割を担えるFWとなっており、武者修行先で着実に一つ一つのプレイが洗練されてきた印象は強い。
そんなピナモンティがここまで大きな成長を遂げることができているのは、昨季共にインテルで戦ったルカクの影響が大きいか。今夏チェルシーへ向かったベルギー代表FWも前線で様々な役割を担えるFWだっただけに、共闘するなかで彼のプレイから盗んだ技術は多いはず。
今後もその作業を怠ることなく継続できれば、もしかするとピナモンティはいずれ“ルカク級”のFWになることも可能か。武者修行先で順調に成長するストライカーが復帰した際に、インテルでどれほどのプレイを見せてくれるかは今から楽しみだ。