途中出場からフランス代表を支えたエンゾンジ photo/Getty Images
まだ代表を目指してもいいように思えるが……
前回のワールドカップ・ロシア大会を制したフランス代表には、鉄板になりつつある交代策があった。
リードした状態で守備的MFスティーブン・エンゾンジを投入するパターンだ。
準決勝のベルギー戦ではFWオリヴィエ・ジルーに代わり、決勝では警告を受けていたエンゴロ・カンテに代わってピッチに入り、中盤の守備を引き締めた。196cmとサイズがあるのも特長で、相手のロングボールにも対応してくれる。大会前の段階で代表キャップ数は僅か4試合だったが、代表メンバーに選んだディディエ・デシャンの判断は正しかったと言える。
あれから4年。33歳を迎えたエンゾンジは、現在カタールのアル・ラーヤンに所属している。このクラブではコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスの加入が大きな話題となったが、エンゾンジも強力外国人助っ人の1人なのだ。
カタールでの生活もまずまず充実している。アル・ラーヤンはアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)にも出場しており、エンゾンジはグループステージ全6試合にフル出場。得点も2つ奪い、チームはベスト16進出を決めている。
おそらく、今のエンゾンジはまだ欧州でプレイできるだろう。
エンゾンジが最後に戦った代表戦は2020年11月のスウェーデン戦となっており、もう2年が経った。やや遅咲きだったゆえに代表での時間は短くなっているが、それでもワールドカップ制覇に貢献した事実は消えない。巨人の守備的MFは舞台をアジアに移し、ACL制覇へ向けて戦いを続けている。