昨夏バルサに加わったデパイ photo/Getty Images
マンUに続いてバルサでも大成功とはなっていない
FWロビン・ファン・ペルシーが持つオランダ代表歴代最多得点記録(50ゴール)まで残り8ゴール。偉大なる記録を射程圏内に捉えているのがFWメンフィス・デパイである。
驚異的なのはそのペースで、これまでオランダ代表では80試合で42ゴールを挙げている。1試合平均得点率は0.53点となっており、これは102試合で50ゴールのファン・ペルシーをも上回るペースだ(0.49点)。
デパイがオランダにとって特別なフットボーラーなのは間違いないが、クラブの方ではほろ苦いキャリアを過ごしている選手でもある。
1度目のビッグクラブ挑戦となった2015年のマンチェスター・ユナイテッド移籍は大失敗に終わり、その後移籍したフランスのリヨンで華麗に復活。そして昨夏に満を持してバルセロナへ移籍したのだが、バルセロナはリオネル・メッシ退団で混乱。シーズン途中にはオランダ代表でも仕事をともにしていたロナルド・クーマンが去るなど、デパイにとっては苦い1年目となった。
さらに英『Daily Mail』はバルセロナがオファー次第で今夏にデパイを手放す考えがあると伝えており、昨季途中より指揮するシャビ・エルナンデスの構想に入り切れていないところがある。
痛かったのは、今年の冬に怪我で離脱していた期間があったことか。その間にフェラン・トーレス、ピエール・エメリク・オバメヤンといったアタッカーがチームに加わり、デパイは後半戦に出遅れた。前半戦はチームの軸だったが、後半戦では出番も減ってしまった。
バルセロナには若いアンス・ファティもおり、さらにバイエルンFWロベルト・レヴァンドフスキも粘り強く狙い続けている。デパイにとっては厳しいバトルだ。
オランダ代表通算得点ランク2位につけるデパイだが、代表の方で獲得したリーグタイトルはPSV時代の1度のみ。リヨンでもリーグカップは獲ったが、やや寂しいクラブキャリアだ。ビッグクラブの主役となるだけの実力と得点力はあるはずだが、マンU移籍もバルセロナ移籍もどこかタイミングが合わなかったところがある。28歳と中堅世代に入っているが、デパイがビッグクラブで真の輝きを放つ日はくるのか。