2014年自国開催のW杯で戦ったフレッジ photo/Getty Images
2014年のブラジル大会で背負ったプレッシャー
2002年はロナウド、2006年はロナウドとアドリアーノ、2010年はルイス・ファビアーノと、ワールドカップでブラジル代表のセンターフォワードに入る者には強烈なプレッシャーがかかる。この位置に入る選手には王国を頂点へ導く使命があるのだ。
迎えた2014年の自国開催のブラジル大会。ブラジル代表は明らかにセンターフォワードの層が薄かった。代表監督ルイス・フェリペ・スコラーリが託したのは、当時30歳だったFWフレッジである。
とはいえ、国内のフルミネンセでプレイしていたフレッジは当時のセレソンにおいて脇役だ。主役は2列目に入るネイマール、オスカルらで、フレッジは前線で体を張って彼らを活かすことが求められた。
他にFW登録で招集されていたのはフッキ、そして日本でもプレイしたジョーだ。フッキは右サイドに入ることが多く、センターフォワードの層がかなり薄かったのが分かる。
フレッジもグループステージで得点を挙げるなどセレソンのエースとして奮闘したのだが、チームはベスト4でドイツ相手に1-7と大敗。フレッジにも厳しい視線が向けられることになり、当時はかなり苦しい思いをしたはずだ。
そのフレッジは、今月9日に現役引退を表明。38歳でピッチを退くことになった。
スーパースターと呼べるタイプのセンターフォワードではなかったかもしれないが、ブラジル代表では通算39試合に出場して18ゴールと見事な成績を残している。
やや人材難となっていた2014年当時のセレソンで体を張り、ネイマールら後輩を活かす役割に回りながらゴールを狙い続けたフレッジの奮闘は認められるべきだろう。欧州のメガクラブとは縁のない選手ではあったが、もっと評価されるべきストライカーと言えそうだ。