サラーは日本戦でも先発した photo/Getty Images
10年前に才能を見抜いていたか
2012年のロンドン五輪でブラジル代表は準優勝を果たしたが、当時のメンバーを覚えているだろうか。当時はかなり豪華なメンバーを揃えており、まだ若かったFWネイマールやMFオスカル、FWレアンドロ・ダミアン、ルーカス・モウラ、MFガンソ、FWアレシャンドレ・パト、DFアレックス・サンドロらに加え、オーバーエイジでDFチアゴ・シウバ、マルセロ、FWフッキを招集。
では、そんなブラジルをグループステージで苦しめたチームのことは覚えているだろうか。あれから10年、今や世界を代表するスーパースターとなったFWモハメド・サラーを擁していたエジプト代表だ。
当時のサラーは19歳だったが、グループステージ初戦のブラジル戦ではマルセロを翻弄。途中出場からゴールまで奪っており、ブラジル相手に2-3と善戦した。
サラーの活躍についてオーバーエイジで参加していた主将のモハメド・アブトレイカは「五輪でマルセロ相手に何が出来るかサラーは証明した。マルセロは彼を恐れていたよ」と振り返っている(英『Liverpool Echo』より)。
サラーは結局グループステージで3ゴールを挙げ、エジプトはグループステージを突破。ベスト8では日本代表と対戦しており、このゲームにもサラーは先発していた。試合は日本が3-0で勝利したが、あの時サラーのことを記憶した人はどれだけいただろうか。
あれから10年でサラーは予想を上回る覚醒を果たし、今やバロンドール候補にも名前が挙がるようになった。10年前のブラジル戦できっちりとサラーの素質を見抜いていた人もいるだろうが、あの大会はサラーにとって強烈なアピールの場となっていた。