インテルのハカン・チャルハノール photo/Getty Images
欧州屈指のレジスタ
インテル・ミラノのハカン・チャルハノールにとって、中盤の底の位置で起用されるようになった昨季はキャリアの転機とも言えるシーズンになった。右足から繰り出される精度の高いキックによってインテルの攻撃を操る司令塔として君臨し、同クラブのセリエA優勝にも大きく貢献した。
ヨーロッパ屈指のレジスタと評されるまでになったチャルハノールは、今やビッグクラブが獲得候補にリストアップするビッグネームであり、今年夏にはバイエルン・ミュンヘンが本人と接触を図っていた。
しかし、成功のきっかけを与えてくれたインテルに対するチャルハノールの思いは周囲の想像以上に強く、本人がイタリア紙『Corriere dello Sport』に語ったところによると、バイエルンから連絡が来た際にも「僕ではなくてインテルと話してくれ。インテルが望むことを僕はやる。僕はこのクラブにすごく感謝しているんだ」と伝えてオファーを断ったという。
現在30歳で、年齢的にはそろそろキャリアの終わりを意識し始める時期に差し掛かっているが、『Corriere dello Sport』とのインタビューの中でインテルでの現役引退を望むかと尋ねられると、チャルハノールは以下のように語った。
「それ(インテルでの現役引退)が僕の希望だ。僕ももう若くはないからね。サッカーの世界では何が起きるか誰にも分からない。でも、間違いなく僕はインテルに出来るだけ長く残ろうとするだろう」
このままインテルでキャリアを全うし、ハビネル・サネッティ氏らクラブ史に名を残すレジェンドの仲間入りを果たすことがチャルハノールのモチベーションとなっているのかもしれない。