大型FWイェンギは候補者の1人 photo/Getty Images
絶対的エースと呼べる選手はいない
今月はインドネシアに5-1、中国に2-0で勝利し、2026ワールドカップ・アジア最終予選のグループCで2位につけているオーストラリア代表。ワールドカップ出場権獲得へあと一歩のところまできており、最終予選のスタートを考えれば上々だろう。
ただ、ワールドカップ本番へ課題はある。今に始まったことではないが、ティム・ケイヒルの引退以降は頼れるセンターフォワードが不足しているのだ。
今月の代表戦は大型FWクシニ・イェンギ、アダム・タガートが負傷したこともあり、オーストラリアはセンターフォワード選びに頭を悩ませることになった。25日の中国戦では国内のウェスタン・シドニー・ワンダラーズでプレイする29歳のブランドン・ボレロを最前線に据え、試合途中からは34歳とベテランの町田ゼルビアFWミッチェル・デュークを起用。
しかしボレロは代表での実績に乏しく、デュークは今季町田でJ1第3節の東京ヴェルディ戦に45分間出場したのみで、他のゲームはベンチだ。豪『ABC News』は34歳を迎えていることもあり、デュークの代表キャリアは終わりが近いと見ている。来年のワールドカップへ向け、頼れるセンターフォワードを見つけなければならない。
基本的にはポーツマスでプレイするイェンギがファーストチョイスになりそうで、この最終予選でも6ゴールと結果を出している。
他には、今季の豪州Aリーグにて11ゴールを挙げて得点ランク首位を走るウェスタン・ユナイテッドFWノア・ボティック(23)、ポルトガル2部で13ゴールを挙げるFCアルベルサFWアンソニー・カーター(30)も候補者に挙げられているが、やはり全盛期のケイヒルとは比べられない。
得点部分に関してはウイングの選手に頼ることもでき、同メディアは期待の若手FWネストリ・イランクンダ(19)に1年でブレイクしてほしいと期待をかけている。現在はバイエルンからスイスのグラスホッパーにレンタル移籍していて、スイスでも結果は出ていない。しかしバイエルンが目をつけたほどのポテンシャルの持ち主ではあるだけに、何とかこの1年で成長してほしいところ。
全体的にタレントが小粒になっている印象は否めないが、ワールドカップへ監督トニー・ポポヴィッチはどのように前線を構築していくのか。選択肢は限られており、ポポヴィッチとしても難しい問題だろう。