ペッター・ハウゲはクラブが生んだベストプレイヤーの1人だ photo/Getty Images
EL制覇も夢ではない
先週行われたヨーロッパリーグ準々決勝2ndレグではマンチェスター・ユナイテッドVSリヨンのゲームも劇的だったが、それに負けず劣らずの激しい攻防を見せたのがラツィオVSボデ・グリムトのゲームだ。
戦力的にはラツィオの方が上だろうが、ボデ・グリムトはホームで行われた1stレグに2-0で完勝。
ボデ・グリムトは近年欧州カップ戦でも印象的な戦いを見せてきたが、ELベスト4まで進んでくるとは予想外だったか。グリムトはノルウェー語で稲妻や閃光といった意味があるそうだが、彼らの快進撃はノルウェーサッカー界の希望となっている。
スペイン『SPORT』も彼らの躍進に注目しているが、ボデ・グリムトは2016年に国内リーグ2部降格を経験している。これを受けてチームは方針を転換し、自国の若い才能を育てていくやり方でチームを強化してきた。その結果1シーズンで1部へ昇格し、2020年と2021年にはリーグを連覇。すっかり上位の常連となった。
その方針は今も続いており、今のトップチームには外国籍の選手が5人しかいないというから驚きだ。現在は全員ボデ・グリムトに復帰しているものの、クラブのアカデミーで育てたMFイェンス・ペッター・ハウゲをミランへ、MFパトリック・ベルグをフランスのRCランスへ、DFフレドリック・ビョルカンをヘルタ・ベルリンへ売却するなど、若い才能を積極的に欧州トップリーグへと送り出してきたのも特長的だ。
チームは2018年よりヒェティル・クヌートセンが指揮しており、その哲学は高いレベルで浸透している。完成されたスタイルを武器に、人工芝のピッチとなっているホームのアスプミラ・スタディオンでは無類の強さを誇る。特に冬場のノルウェーは寒さも厳しく、アウェイチームにとってはかなり過酷な環境での戦いとなるのだ。
EL準決勝ではトッテナムとの対戦だ。ラツィオに続き、選手のネームバリューだけで見ればトッテナムの方が格上だろう。しかしボデ・グリムトにはホームでの強さがあり、またトッテナムも盤石とは言えない。ボデ・グリムトがファイナルへ進む可能性も十分に考えられるが、快進撃はまだ続くか。