CL第1節ではサン・ジロワーズがPSVを撃破 photo/Getty Images
CLではサン・ジロワーズとブルージュが見事な戦い
オランダ・エールディヴィジとベルギー1部のジュピラー・プロ・リーグの実力はどちらが上なのか。これまでの力関係ならば、オランダの方が上と考えるサッカーファンが多かったはずだ。
その大きな要因としては、やはりPSVとアヤックスの存在が大きかった。両クラブとも毎年のように優れた選手を輩出し、アヤックスは2018-19シーズンのチャンピオンズリーグでベスト4に進出するなど欧州の舞台で結果を残してきた。
しかし、ここ最近の両クラブはやや力を落としているようにも感じられる。先週話題を呼んだのは、CLリーグフェーズ第1節で実現したPSV対ロイヤル・ユニオン・サン・ジロワーズ(ベルギー)の対戦だ。サン・ジロワーズでは過去にFW三笘薫、昨季までDF町田浩樹がプレイするなど、日本のサッカーファンにも馴染みのあるチームだ。
これまでの力関係ではPSVが上だったが、今回サン・ジロワーズは敵地で3-1とPSVを撃破。これはベルギーサッカー界に大きな勇気を与える1勝だったと言える。
『Get Footballnews Bene』は「ベルギープロリーグはエールディジを超えたのか」と取り上げていて、ベルギー勢が力をつけているのは間違いない。同じくCLリーグフェーズ第1節では、ベルギーのクラブ・ブルージュがフランスのASモナコを4-1で粉砕。勝ったことだけでも凄いが、後半アディショナルタイムまで4-0でリードする一方的な展開となったのは驚きだった。
同メディアはPSVとアヤックスの力が落ちていると分析していて、ブルージュやサン・ジロワーズの方が人材確保が上手く進んでいると見る。
「PSVは昨季と同じチーム状態ではなく、多くの主力を失ったことでクオリティを維持できていないように見える。
「クラブ・ブルージュもアヤックスやPSVと同様に移籍市場で主力を引き抜かれることの多いクラブだが、ブルージュは選手の引き留めや補強にも力を入れている。ブルージュはモナコよりもスピードがあり、格上と思える相手にも果敢に攻め込んだ。これは過去数シーズンのヨーロッパリーグでブルージュやサン・ジロワーズが見せてきたパターンであり、実力に関わらず相手を恐れていないのだ。UEFAランキングではベルギーが8位、オランダは6位となっているが、2021-22シーズン以降はこの差が大幅に縮まってきている」
「プロリーグは、上位陣に関してはエールディヴィジに迫りつつあり、あるいは上回っているとも言える。ただ、リーグ全体ではエールディヴィジの方がまだ優位と言えるだろう」
上位クラブ同士であれば、CLやELでベルギー勢がオランダ勢を撃破することも不可能ではない。昔からエールディヴィジは育成手腕に長けたクラブが多いと評判だったが、近年はベルギーのトップクラブも負けていない。5大リーグへのステップアップを狙ううえで、ベルギーリーグへの挑戦を選ぶのも悪くないだろう。