子どもが大きくなるにつれ、交友関係も広がりを見せます。そして、親にしてみれば「あの子はちょっと…」と思ってしまうような子と遊んだりすることも。
■立ち入りできない歯がゆさ
親からみて不思議なことのひとつに、意地悪されて泣かされているのに、なぜかその子とばかり遊ぶ我が子。親にしてみると、「ちょっとあの子とは遊んで欲しくないな…」と思うけれど、子どもは慕っているみたいだから見守るしかないか…とヤキモキ。そんな経験、ありませんか?
「ある女の子にモヤモヤしています。とにかくウソつき。『○○先生、病気でもうすぐ死んじゃうんだって』とか『明日の算数のテストで100点取れなかった子は、もう一回1年生からやり直しなんだって』とか。彼女のつくウソに心乱され、慌てる我が子。大人が聞くとすぐ嘘だとわかるんですが、子どもはまだそうはいきませんよね。かといって、その子はウソツキだよ、っていうわけにもいかないし…。ウソつく以外は明るくて元気ないい子だから、今は見守っていますが」(小学2年生の女の子のママ)
「気分屋のクラスメートに振り回されている我が子。機嫌がいいときは仲良くやっているんですが、機嫌が悪いときは無視。
「お友達が我が家に遊びに来た日、アメリカに住む私の姉からもらった娘の宝物のボールペンが紛失。ペンたてに立てていたのに無くなった、と家中探しても見つかりませんでした。翌日、うちに遊びに来ていた女の子が、無くなったはずの娘のボールペンをで皆に披露し、自慢していたのだとか。『私のじゃん、返して』と娘が言っても『これは私のだ』と譲らない彼女。ひと悶着あり、担任の先生が、『どちらのお家のものか、お母さんに聞いてみます』と言うと、ようやく彼女は白状したのだとか。その子のお母さんからも謝罪を受けたのですが、ママ友から『あの子は手癖が悪いらしいわよ』と聞いちゃって。それ以来、その子をうちに招くのを躊躇してしまっています。当人同士は仲良しなんですが…」(小学3年生の女の子のママ)
「息子の仲のいい男の子の家庭は共働き。そのせいか、遊びに来てもなかなか帰らない。さすがに17時には『ごめんね、うちは17時から勉強の時間なの』と帰ってもらっていますが、その後も公園でウロウロしているそう。日曜日は朝の7時に『遊ぼう』とやってくることも。
■「排除」は解決にはならない
子どもの友達にモヤモヤする、あまり一緒に遊んで欲しくない…そんなとき、親はどうしたらよいのでしょうか。
一番いけないのは「あの子はあまりよくない態度だから、あの子ともう遊んではダメ」と、その子との交流を禁止すること。もし、子ども自身はその子のことを好きだった場合、「どうしてお友達のことを悪く言うんだろう」と、親に対する不信感が芽生えてしまいます。
また、人間関係でトラブルが起きた場合、自分でなんとか解決しようとする気持ちや能力を養わないと、大人になり、社会に出たときに苦労してしまいます。
とはいえ、あまりにも目に余るような態度をされたり、子どもを傷つけられたりしたら、黙ってはいられないですよね。
そんなときは、まずは子ども自身の意向を聞いてみることが大切。子どもが「楽しい、もっと遊びたい」と言うのなら様子を見てみましょう。もし、あなたの目の前でなにか問題行動を起こしたときは、「○○はあまりよくない言葉だから使わない方がいいと思うよ」「そういうときは叩かずに気持ちを伝えてみようね」などと諭してあげるとよいでしょう。
子どもが仲良くしたい、という気持ちがあるのなら、相手がどんな子なのか、を親が積極的に知ろうとすることも大切です。親が不信感を抱いても、子どもは大好き…というのはよくある話。子どもの意思を尊重してあげるのも大切なことです。ただ、大きなトラブルが起きないように、さりげなく見守り、スムーズな人間関係を構築できるようなアシストをしてあげることもお忘れなく。
■子どもの人間関係に惑わされないで
子どもが傷ついた、学校行きたくない、などとSOSを出してきた場合には親が助けてあげる必要があります。しかし、子どもがその子と仲良くしたい、という気持ちがあるのなら親はまず見守ってあげることが大切なのではないでしょうか。
また、大きなトラブルが起きる前にさりげなくフォローしてあげることもポイント。親が子どもの友達関係に惑わされないよう、気持ちを強く大きく持っておきたいものですね。