子育て中に少しでも「しんどかった」「大変だった」と愚痴をこぼそうものなら、「私の方がもっと大変!」とアピールするママ友に悩まされている人も多いよう。
なぜか「大変な方がエラい」と言わんばかりに自慢気に苦労話を披露され、トークはますますヒートアップ。
いわば、「私の方が大変」マウントをとりたがる人々の心理とはいったい…?
■大変自慢にウンザリ…!
子育て中のママに、「大変自慢されたことありますか?」と聞いてみたところ、さまざまなエピソードが飛び出しました。どうやら皆さん、大変自慢に苦労されているようです…。
「子どもの熱がなかなか下がらず、1週間ぶりに近所の公園へと遊びに行ったときのことです。『久しぶりね』と公園仲間に言われたので『そうなの、なかなか熱が下がらなくて…』と言ったところ、仲間のひとりが『あら、うちなんか熱性けいれんを起こして救急車で運ばれたんだから!ネットとかでは知識はあっても、いざけいれんを起こす子どもを見ていたら冷静でなんていられないわよ…』と張り合うかのように言われた。ただ、なぜ公園に来られなかったのかを伝えただけなのに」(3歳の男の子のママ)
「最近主人が休日出勤だから、休みも子どもとふたりで、何しようかな~って思っちゃう。と言うと、友人が、『それくらいいいじゃない!うちなんて平日も休日も関係なし、子どもが生まれてからずっとワンオペ育児よ!』とすごい勢いで言ってきた」(4歳の女の子のママ)
「毎日あっと言う間に時間が過ぎるし、疲れがなかなかとれなくて…と妹に言うと、『でもお姉ちゃんは専業主婦でしょ?私なんて、仕事しながら子育てしているんだから!』と説教されちゃいました」(2歳と4歳の男の子のママ)
「子育てって思っていた以上に体力使うよね、とママ友にポロリと言ったら、『あら、でもあなたはひとりっ子だからまだマシなんじゃない?私なんてふたりだから、その倍体力使っているんだよ。もう、ほんとゆっくり整体でも行きたいくらい身体ボロボロ。私に比べたら、まだあなたなんて全然よ』って。そういう意味で言ったんじゃなく、ただ予想以上に体力勝負だよね、と言いたかっただけなのに」(4歳の男の子のママ)
■辛いのはみんな同じ
おそらく「育児が大変」アピールをして、「私が一番しんどい」とマウントをとりたがるママは、「自分の頑張りを認めてほしい」と思っているのかもしれません。
また、「こんなに大変な育児をしているのは自分だけなのでは」「ここまで頑張っている人はそうそういないだろう」という意識もあるため、他の人のちょっとした「しんどかった」「大変だった」という言葉に敏感に反応し、「そんなの全然大変じゃない!自分の方がもっともっと大変なんだから!」という気持ちになるのではないでしょうか。
確かに子育て中のしんどさや苦労って、なかなか報われるものではないですし(子どもの成長を感じたり、子どものふとした言動に癒されたり、という瞬間はありますが)、「これだけ頑張った、これだけ働いた」と結果が目に見えるわけでもありません。
子育てで「しんどいな」「辛いな」と感じるポイントは人それぞれのはず。「夜がなかなか眠れないのが辛い」と思う人もあれば、「子どもが構って構って、と言うのでなかなかひとりの時間が取れない」と思う人もいるでしょう。
いずれにせよ、自分が辛いときに「他のお母さんたちも頑張っているんだ」と思って自分で自分を励ましこそすれ、「自分が世界一しんどくて、辛い母親だ」と考えるのはよろしくありません。
しかし、世の中には、「自分だけが大変なんだから、自分だけが愚痴る権利がある」とばかりに、大変アピールしてくる人も一定数いるのです。そんな人と同じ土俵に立つ必要はありません。「そうだね、大変だね」と話を上手く合わせておいて、その人には二度と不用意な発言はすまい、と心にとどめておけばいいのです。
■褒めてほしいわけではないのに
「~なことがあって大変だった」というのは、何も「だから頑張ったね、ってねぎらってね」と言っているわけではないのに、と思ってしまいますよね。
でも、大変アピールするママは違うのです。心のどこかで自分が認められていない、という不満を抱えているのでしょう。
それが頻繁に続くようなら、黙ってその人から離れるのもひとつの方法。大変な子育て、できるだけストレスフリーで過ごしたいものです。