昨夏、C96ことコミックマーケット96で披露されたコスプレを紹介( https://limo.media/articles/-/12888 )しましたが、コミケは夏だけではなく冬にも開催されます。今冬のコミックマーケット97は12月28日~31日の4日間、東京ビッグサイトで開催されました。
今回のC97は前回C96よりも参加者が2万人増加して75万人。過去最高の参加者数です。また今回のC97と同様、2020年5月2日~5日開催予定のC98は東京ビッグサイトの西展示棟と南展示棟、青海展示棟で開催の予定。東京オリンピック開催に絡んで会場・日程ともに少々変則的な開催となります。
40年以上の歴史を持ち、運営者・来場者の別なくすべてが「参加者」であるというコミケ。各種多様な同人誌の即売会であると同時に、コスプレイヤーたちが思い思いのコスチュームを着け、来場者を魅了する場でもあります。今回もコミケならではのコスプレの数々をTwitterの投稿からのぞき見てみましょう。
■C97注目のコスプレ
寺西大地(@dt_pal)さんのツイートから
「寿司w
パッと見シャリの人が大変そうに見えて、実はネタの人もバランス取るの大変そう」

握り寿司です。白いシャリの上に赤いネタが乗った、一見して分かる握り寿司です。金色の皿に乗っていて高価そうです。
白い全身タイツの人がうずくまり、赤い全身タイツの人がその上に腹這いになることで握り寿司を表現。誰でも思いつきそうでなかなか思いつかない工夫により生まれる美食コスプレに人々は目を奪われ、足を止めます。
rascal(@rascal49404702)さんのツイートから
「3日目にもトトロいたもん!防災公園にいたもん!!」


たくさんの人が目撃し、「トトロいたもん!」と叫んだトトロ。腕に4つの参加証を着けています。
コスプレイヤーはコミケ会場でのみコスチュームを着けることができますが、その姿を撮影できるエリアはさらに限られています。また、参加するには1日ごとに参加証が必要。撮影者もトトロもきちんとルールを守っての参加です。
ずっこけ赤悪マミさん(@reddevil013)さんのツイートから
「トロッコ問題」

2019年、Twitterで話題になった倫理学の思考実験「トロッコ問題」が、コミケに具体的な姿を伴ってやってきました! さあ、あなたは線路を切り替えますか?
「トロッコ問題」とはフィリッパ・ルース・フットという哲学者が提唱した「人間は道徳心から生まれるジレンマにどのように対処するのか」を考える手掛かりとなる思考実験。あくまで「思考」による実験でしたが、実際に二手に分かれた線路が目の前に現れると問題はより切実に感じられ……ますね。
大福くん(@daihukunakanojo)さんのツイートから
「西屋上で大福の良さをアピール開始です!」

とてもチャーミングな大福くん。アニメ『日常』に登場する「大福の中之条」という店の大福フェアの際に現れるマスコットキャラクターです。白くてふっくら、おいしそう。
コミケには前回、前々回と連続参加していて、ダンスも披露する大福くんはコミケのちょっとした有名大福です。大福くん現れるところに大福フェアありですので、みなさん大福を食べたくなってください。
つよっさん(@orzpanther)さんのツイートから
「コスプレ
ラーメン大好き小池さん
ラーメン美味そう
うp許可済み」

アラフォー以上の人なら一目見て誰だかわかる小池さん。漫画『オバケのQ太郎』に、特にストーリーには関係なく登場する人です。いつもラーメンを食べている小池さんはもともとは小池さんではなく、小池さん宅に下宿している鈴木さんだったということはあまり知られていません。
モデルはアニメーターの鈴木伸一氏。モジャモジャ頭で眼鏡をかけていて、いつもやや不機嫌そうな表情で麺類が大好きというのはモデルの鈴木氏そのままの設定なのだそう。このコスプレイヤーさんもこれら特徴をとても上手に再現しています。
あき(@akira1027_photo)さんのツイートから
「見た瞬間、2人の世界観に惹き込まれました。」

撮影場所は東京の一角のはずですが、現世とは思えないとてもファンタジックな世界が展開されています。ひまわりの紳士とシャンデリアの貴婦人が寄り添う、やわらかい光の中。ひまわり紳士はある漫画作品のキャラクターで、シャンデリアの貴婦人はオリジナルキャラクターだそうです。
別世界の2人が出会って、新しい世界が生まれたのですね。コスプレは既存のキャラクターに限らず、思うものを何でも表現できて、このように違う世界のキャラクター同士がひとつの画面に収まることもできる、不思議な世界でもあります。
■まとめ
あるコスプレイヤーさんが教えてくださいました。「コスプレは愛から始まる」と。
原典のキャラクターに対する愛情があって、そこからコスプレという表現が生まれるのです。オリジナルキャラクターやネタもまた同様です。
私たちが目にするコスプレがみな輝いて見えるのは、愛という全肯定に満ち満ちているからなのでしょう。それは非日常の場で表現されることが多いですが、日常でもとても大切な感情です。
否定を口にしがちなこのご時世ですが、ご覧になったコスプレイヤーたちの表現同様、目に映るものたちを肯定して毎日を過ごしていきたいですね。